PwC、調査レポート「グローバル 100 ソフトウェアリーダー」を発表

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クラウド、SaaS、モバイル分野の動向が、ソフトウェア産業のビジネスモデルの変革に影響


PwC Japan

*本プレスリリースは、2013年5月15日にPwCが発表したプレスリリースの翻訳です。

2013年5月15日 - PwC(プライスウォーターハウスクーパース)の市場調査レポート「グローバル 100 ソフトウェアリーダー(PwC Global 100 Software Leaders)」によると、クラウド、SaaS(Software as a Service)、ITにおける消費者向け/企業向け製品・サービスの融合(コンシューマライゼーション)、そしてモバイルの領域で起きている発展を遂げる変化は、これまでのソフトウェア企業のビジネスを根底から覆し、変革をもたらしていることが明らかになりました。主な洞察は以下のとおりです。

  • SaaSの採用が加速: 2011年のソフトウェア総売上に占めるSaaSの割合は4.9%にすぎませんでしたが、SaaSを採用する企業は着実に増えています。北米の800の組織のうち約半数は、ソフトウェア購入時にクラウドベースのソリューションも検討すると回答しています*1。ライセンス収入は、2004年以降縮小していますが、サブスクリプション収入(SaaSを含む)は年間平均成長率17.5%で伸びると予測されており、2016年にはソフトウェア総売上の24%に達すると見込まれています*2。ソフトウェア企業は現在、デリバリー手法、価格戦略、販売報酬オプションなどの側面から、自社のビジネスモデルを慎重に評価し直しています。
  • 購入意思決定者の変化: 先行するクラウドサービス、モバイル機器、低コストのアプリケーションの登場により、ソフトウェアの購入プロセスにおける意思決定者はCIOだけではなくなりました。売上の維持、増加のためには、エンドユーザーを満足させなければなりません。「グローバル 100 ソフトウェアリーダー」の参画企業の一社は、「ビッグデータの分析、マーケティングの効率化、顧客の満足度向上のための投資は、自社の技術投資の3倍近くになりました」と述べています。
  • ハイブリッドモデルがもたらす新たな課題: 従来のライセンスベースでのアプローチからSaaSのみやハイブリッド型のアプローチまで、さまざまなビジネスモデルの併存は、近い将来、ベンダーに課題をもたらすことになるでしょう。ソフトウェア業界全体が価格圧力にさらされている中で、ベンダーは売上と利益を確保しつつ、新しいビジネスモデルを見定め、取り入れる必要があります。ソフトウェア業界の経営者は、新しいサブスクリプションベースのビジネスモデルが契約更新への依存や顧客離れのリスクを高める可能性があることも懸念しています。
  • 価格設定の重要性:価格設定は業界全体にとっての最重要課題となっています。ITにおける消費者向け/企業向け製品・サービスの融合(コンシューマライゼーション)が進み、低コストまたは無料のオンラインプラットフォームを活用する企業が増える一方で、ソフトウェア企業は、低コストのモバイルアプリケーションと、ライセンス方式による多機能エンタープライズソフトウェアパッケージにおける価値の違いを説明することに苦慮しています。

「クラウドコンピューティングによって、SaaSは新しいビジネスモデルとして成長してきています。ソフトウェア産業の構造そのものが根底から変わりつつあります。当面は、従来のライセンス方式、SaaS、サブスクリプションなどのビジネスモデルが併存するでしょう。その後、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)、XaaS(X as a Service)といった新しいサービスや機能が登場することになります」とPwCのグローバルソフトウェアリーダーのマーク・マキャフリー(Mark McCaffrey)は述べています。

PwCが最近発表したレポート「Future of Software Pricing Excellence」シリーズによれば、調査対象企業のうちトップ4社では、2011年の売上におけるSaaSの割合は2%未満でした。しかし今回のレポート「グローバル 100 ソフトウェアリーダー」のデータは、SaaSへのシフトが重要な動向であることを示しています。本レポート内のランキング「Global 100」のうち10社では、ソフトウェア売上の少なくとも40%をSaaSが占めていました*3

ソフトウェア業界内の統合やグローバル化の進展は、ソフトウェア産業の変革を推進しています。企業買収は研究開発戦略とみなされ、優秀な人材を獲得し、効果的かつ効率的にSaaSの能力を高めるための重要な方法とみなされています。

現在、「Emerging Market 100」のソフトウェア総売上は79億ドルで、首位の中国の売上は26億ドルを超えていますが、「Global 100」では大多数を北米のベンダーが占めています。「Middle East and Africa markets(EMEA)100」の総売上は500億ドルを超え、首位のドイツの売上は220億ドルとなっています。

結論

急速に進むグローバル化と業界内の統合の影響は、ソフトウェア産業の構造と、企業の製品開発、マーケティング、販売、流通、サポートの仕組みを変えつつあります。ソフトウェアベンダーは引き続き、法人顧客の優先順位の変化をとらえ続けなければなりません。――企業はクラウドが提供する柔軟性を求めていますが、セキュリティやコンプライアンス面での懸念を持ち続けています。SaaSへの移行は今後も続く見込みですが、ソフトウェア業界のビジネスモデルの形態もまた進化し続けていくことになります。

「ソフトウェア企業は、ユーザーからの即時のフィードバック、既存製品の改良、テクニカルサポートの改善、新製品・機能の開発といった面でSaaSの影響力を過小評価するべきではありません。また、彼らは、この業界で起きている変化を評価し、自社において活用することについて、最も高い関心を示しています。動向をいち早くつかんでいる優秀な企業は、自社のビジネスモデルやこれまでの取り組みを変化の流れに適応させることで、新たなビジネスの機会をつかんでいくでしょう」とマキャフリーは述べています。

以上

注記

レポート「グローバル 100 ソフトウェアリーダー(PwC Global 100 Software Leaders)」は、最新の財務情報を網羅し2011年の関連データをまとめています。全体で、世界のトップ100を含む294のベンダーのソフトウェア売上、地理的に定義された2つの市場(北米と欧州・中東・アフリカ)、および成熟性によって定義された新興市場(中国、インド、ブラジルなど)のトップ100企業を掲載しています。本調査については、www.pwc.com/globalsoftware100をご覧ください。PwCの「Future of Software Pricing Excellence」シリーズに関する詳しい分析と説明は、www.pwc.com/softwarepricingをご覧ください。

*1 IDC Worldwide Software License Revenue 2012-2016 Forecast
*2 IDC Worldwide Software License Revenue 2012-2016 Forecast
*3 PwC Global 100 Software Leaders Report

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