PwC、「第16回 世界CEO意識調査」の結果を世界経済フォーラム(ダボス会議)に合わせて発表-CEOの、成長への自信低下

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- 大半のCEOが、2013年も世界的な景気減速が続くと回答
- CEOの最大の懸念事項は、財政赤字、過剰規制、そして不透明な経済情勢


PwC Japan

*本プレスリリースはPwCが、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の開催に合わせてダボスで発表した「第16回 世界CEO 意識調査」に関するプレスリリースの翻訳です。

2013年1月22日 ダボス(スイス)-PwC(プライスウォーターハウスクーパース)が実施した「第16回 世界CEO意識調査」によると、今後12カ月間の自社の成長見通しに「非常に自信がある」と回答したCEOは、回答を寄せた世界のCEOの36%にとどまりました。短期的成長に「非常に自信がある」CEOの割合は昨年の40%、2011年の48%から低下しましたが、2010年の31%および2009年の21%は依然として上回っています。

経済全般に関しては、28%のCEOが世界の景気は2013年に一段と減速すると回答したのに対し、好転するとの見通しを示したのはわずか18%、変わらないとの回答は52%となっています。CEOの見通しは依然として悲観的ですが、昨年は48%のCEOがさらなる景気減速を予想していたことに比べると、景気の先行きに対する見通しは明るくなっています。

地域別にみると、短期的な収益増に対する自信が最も弱いのは西欧のCEOでした。景気後退が続く中、成長にむけて「非常に自信がある」と回答した西欧のCEOは22%にとどまり、昨年の27%、2011年の39%を下回りました。また、北米でも短期的成長への自信を示したCEOの割合は低下し、2012年の42%に対し今回は33%、アジア太平洋地域は36%(2012年は42%)でした。次の高成長地域と目されているアフリカでさえも、自社の成長に自信を見せたCEOの割合は44%で、昨年の57%を下回りました。

一方、中南米のCEOはこうした趨勢とは正反対で、昨年の水準をやや上回る53%が短期的成長への自信を見せています。

国別に見ると、短期的成長への自信を見せたCEOの割合(「非常に自信がある」と回答した比率)はまちまちになりました。最も強い自信を見せたのがロシアのCEOで、66%が2013年の収益増に強い自信を見せました。これに迫る水準となったのがインドの63%とメキシコの62%で、以下ブラジル(44%)、中国(40%)、ドイツ(31%)、米国(30%)、英国(22%)、日本(18%)、フランス(13%)と続きます。最下位の韓国の場合、今後1年間の収益増に「非常に自信がある」と回答したCEOの割合はわずか6%でした【注記2参照】。

長期的見通しへの自信については、全般的に引き続き安定しており、今後3年間の成長展望について「非常に自信がある」と回答したCEOの割合は世界全体で46%となり、昨年の水準とほぼ同じでした。長期的成長に対するCEOの自信が最も強かったのはアフリカ(62%)と中東(56%)で、北米では51%が、アジア太平洋地域では52%が長期的成長に対して「非常に自信がある」と回答しています。長期的成長への自信が最も弱かったのは欧州のCEOで、非常に自信があると回答したCEOは34%にとどまりました。

プライスウォーターハウスクーパース・インターナショナルの会長であるデニス・M ・ナリー(Dennis M. Nally)は、ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会の初日にこの調査結果を発表し、次のようにコメントしています。

「CEOは自社の短期的見通しと世界の経済見通しの双方について依然として慎重な姿勢を示しています。もっとも、CEOが過剰規制、政府の債務残高、不安定な資本市場といった問題に強い懸念を抱いていることを踏まえれば、CEOの自信が過去12カ月間に弱まったことは驚くにあたりません」

「CEOは眼前のリスクへの対処に取り組んでおり、景気低迷期を乗り切るために、戦略面からの事業改善を続け、価値を低減させることなくコストを削減しようと試みています。将来的に資源として足かせとなるような大型支出を回避しつつも、本業での成長機会を追求しています。最も注目すべき点は、顧客重視の姿勢を明確に打ち出していることです。顧客との協力のもと、需要喚起、顧客のロイヤルティー強化、そして合同でのイノベーション促進の起爆剤となる取り組みを行っています」

CEOにとっての最大の懸念事項は?

厳しい経済情勢が続いているため、CEOの懸念は1年前よりも総じて強まっており、懸念事項の範囲も拡大しています。懸念事項の筆頭として、81%のCEOは経済成長を巡る不透明性が続いていることを挙げています。

その他の主な懸念事項としては、71%のCEOが財政赤字への政府の対応を挙げ、また69%は過剰規制、61%は資本市場の安定性の欠如を挙げており、各国政府に対する要望を明確に示しています。過剰規制について懸念するCEOの割合は2006年以来の最高水準となりました。規制による負担に対する政府の対応について直接尋ねた質問に対しては、2012年に政府によって規制負担の軽減が図られたと認めたCEOはわずか12%と、一段と率直な不満が示されました。

事業の成長を脅かす重大な要因に関する質問では、62%が税負担の増加、58%が重要なスキルの確保、52%がエネルギーおよび原材料のコストを挙げました。

混乱への対処

混乱期を生き残り、成長する組織を構築するために、CEOは3つの具体的戦略を追求しています。すなわち、限られた機会への集中、顧客重視、事業効率の強化の3点です。

1. 限られた機会への集中

68%のCEOは選択と集中を入念に行っています。あらゆる選択肢を比較検討し、少数の賢明な投資を行い、資源の集中を図ることによって、成功の確率を最大化しています。

CEOが今後成長していく上での方法として、約半数が既存市場での成長に希望を託す一方で、新製品の開発に乗り出すCEOは25%にとどまりました。また、新たな合併・買収(M&A)を計画しているCEOは17%に過ぎません。M&Aを計画しているCEOが対象地域の筆頭に挙げるのは北米と西欧であり、これら地域の経済情勢が厳しい時期を逆に好機と見て、有利な案件を見出だそうとする動きが見られます。

将来の成長のために最も重要な国については、中国を挙げたCEOが31%と最も多く、次いで米国(23%)、ブラジル(15%)、ドイツ(12%)、インド(10%)と続きます。インドネシアを挙げたCEOの割合が日本を2ポイント上回り、インドネシアが上位10カ国に初めて入りました。大企業(売上100億米ドル超)のCEOの回答に絞ると、中国を最重要と見るCEOの割合が45%に上昇するのに対して、米国を最重要とするCEOの割合は20%に低下します。

2. 顧客重視

約半数(49%)のCEOは消費者の購買パターンの変化が事業にとっての深刻な脅威になると考えており、51%は今後12カ月間に最優先される投資は顧客基盤の拡大であると回答しています。82%のCEOは顧客の拡大・維持戦略を変更することになるだろうと予想しており、31%がすでに大規模な変更を予定しています。

3. 事業効率の強化

CEOが最優先するのは、事業効率の強化です。77%は過去12カ月間にコスト削減の取り組みを実施しており、70%は今後12カ月間にコスト削減策の実行を予定しています。

もっとも、CEOは不用意に企業価値を毀損しないよう細心の注意を払っています。それを示す指標の一つが、48%のCEOが過去12カ月間に自社の増員を図っており、25%が社員数を据え置いている、という結果です。

雇用と人材確保

CEOは今年も増員計画にどちらかといえば慎重な姿勢を見せています。45%のCEOは2013年に採用を予定していますが(2012年の51%からは低下)、23%は人員削減を計画しています。

どの業界が増員を行い、どこが雇用縮小を図っているかという点に注目すると、興味深いことが分かります。増員の可能性が最も高いのは、56%のCEOが増員予定を示したビジネスサービスで、これに建設(52%)、小売(49%)、ヘルスケア(43%)が続きます。他方、人員削減を予定しているCEOの割合が最大だったのは銀行(35%)で、これに金属(32%)、林業・製紙(31%)が続いています。

どのような雇用見通し計画を持っているにせよ、適切な人材の採用と維持は引き続きCEOにとっての大きな課題です。今後の成長を脅かす重大な要因として58%のCEOが挙げたのは重要スキルの確保の可否でした。スキル確保の問題が特に深刻だったのは規模の小さい企業と、アフリカ、中東、アジア太平洋などの高成長地域でした。

また、スキル不足に対するCEOの懸念が最も強かったのは鉱業(75%)で、建設(65%)、通信産業(65%)、テクノロジー(64%)、保険(64%)がこれに続きました。

こうした点を踏まえると、CEOの4分の3以上(77%)が今後12カ月間に自社の人材管理戦略を変更する予定であると述べ、約4分の1(23%)がその変更は大規模なものになるだろうと回答したことは驚くにあたりません。

社会的信認への取り組み

CEOはステークホルダー全般と広く信頼関係を構築することの必要性も認識しています。37%は自社の属する業界に対する信頼が欠如することが自社の成長を危うくする可能性があることを懸念しており、57%は倫理的な社風の促進を一段と重視する予定です。加えて、約半数(49%)のCEOは今後12カ月間に環境への負荷を軽減させる取り組みを強化することを計画しています。

以上

注記

1. 調査方法

PwC 「第16回 世界CEO意識調査」では、2012年の第4四半期に世界68カ国において1,330のインタビューを実施しました。地域ごとの内訳は、アジア太平洋449、西欧312、北米227、中南米165、中・東欧95、アフリカ50および中東32となっています。
調査報告書(英語)および各種グラフは、www.pwc.com/ceosurveyからダウンロードできます。

2. 今後12カ月間の自社の成長見通しに「非常に自信がある」 と回答したCEOの国別・地域別比率

ロシア(66%)、インド(63%)、メキシコ(62%)、中東(53%)、アフリカ(52%)、南アフリカ(45%)、ブラジル (44%)、カナダ(42%)、ルーマニア(42%)、ASEAN (40%)、中国/香港(40%)、ドイツ(31%)、オーストラリア(30%)、米国(30%)、ベネズエラ(30%)、アルゼンチン(26%)、英国(22%)、イタリア(21%)、北欧(20%)、スペイン(20%)、日本(18%)、スイス(18%)、フランス(13%)、韓国(6%)

3. PwCについて

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4. PwC Japanについて

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