PwC、調査レポート「中国における外資系銀行(2012年調査)」を発表

View this page in: English

-中国における外資系銀行は営業基盤を確保しつつある
-2011年の利益は前年比倍増、 2015年までの今後3年間は年率20%以上の収益の伸びを見込む

2012年8月9日
PwC Japan

*本プレスリリースは、2012年7月17日にPwC Hong Kongが発表したプレスリリースの翻訳です。

2012年7月17日 香港-中国における外資系銀行は、営業基盤の確立に苦労しましたが、着実に業績を上げ始めていることが、PwC が中国で営業活動を行う41の外資系銀行のマネジメント層を対象に行った、第7回目となるアンケート調査「中国における外資系銀行(2012年調査)」のレポートで明らかになりました。

中国で営業活動を行う181の外資系銀行の利益は、2010年の77.8億元(934億円/1元12円換算)から2011年には167.3億元(2,008億円)へと倍増しました。この大幅な増益は、中国に進出しているグローバル企業への融資が増加したことに加え、国営企業や民間企業の取引先数が増えたことによるものです。金融機関ならびに法人取引先からのデリバティブ取引への強い需要などによって、人民元取引の国際化が進展したことも収益の拡大に寄与しています。また、2011年の総資産は2010年比24%増加して2.15兆元(25.8兆円)となっています。*

これまで高成長を続けてきた中国経済の先行きには不透明感が出ているものの、外資系銀行は2015年まで年率20%もしくはそれ以上の収益増加を見込んでいます。

PwCの中国・香港地区の金融リーダーであるマービン・ジェイコブ(Mervyn Jacob)は、「中国の外資系銀行は、融資に関する規制や支店開設の認可スピードが遅いことなどの問題点があるにも関わらず、業績を伸ばしました。総資産や利益が伸びているだけでなく、上海などの主要な地域においては、相応のマーケットシェアを獲得しています(上海では2011年に12%のシェア)」と述べながらも、「確かにそれは素晴らしいことですが、外資系銀行は現状に満足しているわけではありません」と指摘しています。

「中国は、製造業を中心とする輸出主導型の経済構造から、国内消費に成長が主導される経済構造への脱皮を図っています。これは外資系銀行にとって、ITやクリーンエネルギーなどの新たな成長分野でビジネスチャンスが生まれることを意味しています。また、中国企業の海外進出意欲が高まる中、外資系銀行はグローバル市場での経験を活用することができます。これらの強みを現実のものにしていくためには、今までとは異なる、よりターゲットを絞ったアプローチが必要になってくるでしょう」とジェイコブは述べています。

外資系銀行は、主に4つの成長分野を意識しています。それらは金融機関、グローバル企業、国営企業、民間企業です。また、中国において個人の富裕層が急激に増加していることから、リテール業務やウェルスマネジメント業務を新しい戦略分野とする外資系銀行も出てきています。さらに人民元の国際化や金利の自由化が進展していることで、輸出入を行う中国企業に対する外為や資金取引業務の拡大も見込まれます。

一方、これまでの調査結果と同様、「厳格な規制環境」は、今回調査を行った41の銀行において主要な懸念事項として認識されています。回答企業から寄せられた規制緩和に関する要望リストには、社債の引き受け、デリバティブ市場やウェルスマネジメントビジネスへのアクセス、オフショア市場からの資金調達枠の上限拡大、CNAPS(中国現代化支払システム)と呼ばれる資金決済システムのメンバーシップや適格国内機関投資家(QDII)における対等な取り扱いなどが挙げられています。なお、意外なことに、回答企業は、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)の方が母国の規制当局よりも協力的であると回答しています。

「今後3年間を展望した場合の外資系銀行における課題は、母国の景気低迷により受けるさまざまな制約と、ダイナミックでかつ急速に拡大している中国市場における投資拡大の必要性を、いかにバランスさせるかということです」と、PwC中国の金融アドバイザリー業務担当パートナー ウィリアム・ヤング(William Yung)は述べ、「中国における外資系銀行は、彼らの重要な顧客に対する接し方と同じように規制当局とも良好な関係を保つことができれば、長期的には市場においてより優位なポジションを確保することができるでしょう」としています。

他の業界と同じように、外資系銀行にとって人材確保は重要な課題となっています。回答企業の過半数が、人材不足が収益の拡大に「相当大きな影響を及ぼす」、「大きな影響を及ぼす」と回答しています。このように人材がひっ迫した状況にも関わらず、多くの外資系銀行は積極的な採用活動を行っており、2015年までに人員を56%増の55,000人に増やす見込みです。

外資系銀行は、上海が2020年に国際金融センター(IFC)になる計画に対して好意的にみており、国際金融センターを実現させる上で主要な役割を果たすことができると考えています。一方で、上海が真の国際金融センターになるためには、金利の自由化や人民元取引業務の自由化が不可欠であるとみています。

最近になって中国景気の鈍化傾向を示す経済指標が公表されていますが、外資系銀行は失望するどころか、これまで以上に中国市場に対するコミットメントを強めています。

調査レポート「中国における外資系銀行(2012年調査)」(英語)はこちらよりダウンロードすることができます。

*データはChina Banking Regulatory Commission(中国銀行業監督管理委員会)の資料による

以上

PwCについて 

PwCは、世界158カ国 におよぶグローバルネットワークに約169,000人のスタッフを有し、高品質な監査、税務、アドバイザリーサービスの提供を通じて、企業・団体や個人の価値創造を支援しています。詳細はこちら をご覧ください。

PwC Japanについて

PwC Japanは、あらた監査法人、プライスウォーターハウスクーパース株式会社、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース、およびそれらの関連会社の総称です。各法人はPwCグローバルネットワークの日本におけるメンバーファーム、またはその指定子会社であり、それぞれ独立した別法人として業務を行っています。

複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanでは、監査およびアシュアランス、アドバイザリー、そして税務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、その他専門職員約4,000人を擁するプロフェッショナルサービスファームとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。

 
 ページトップへ