PwC、第5回共同分析レポート「Cities of Opportunity – 世界の都市力比較 2012」を発表

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-東京の総合評価は、昨年から4ランク上昇して27都市中10位に
-交通・インフラは4位、テクノロジーの水準は6位と高い評価を獲得
-自然災害のリスクは昨年に続き最下位、産業・生活のコストも最下位に転落

2012年10月18日
PwC Japan

世界最大級の監査・税務・アドバイザリーファームであるPwC(プライスウォーターハウスクーパース)は、米国 Partnership for New York Cityと共同で、第5回目となる年次レポート「Cities of Opportunity - 世界の都市力比較 2012」を発表しました。本レポートでは、世界の産業・金融・文化の中心となる主要27都市について、都市を活性化する主要素(都市力)を、2011年および2012年に収集したデータをもとに10の領域・60の変数を用いて分析し、それぞれランキングを公表しています。また今回は、各都市のセクター別雇用状況の分析および2025年の人口・雇用・生産性に関する予測も実施しています。

 

東京の都市力評価

図1:世界の27都市の総合
ランキング(上位10都市)
1 ニューヨーク
2 ロンドン
3 トロント
4 パリ
5 ストックホルム
6 サンフランシスコ
7 シンガポール
8 香港
9 シカゴ
10 東京

東京の総合評価は、昨年から4ランク上昇して27都市中10位となりました(図1)。アジアの都市の中では、シンガポール、香港に次ぐ3位の位置につけています(図2)。10の領域を見ると、「交通・インフラ」(4位)および「テクノロジーの水準」(6位タイ)がとりわけ高い評価を得ました。さらに、「都市の国際性」、「ビジネスのしやすさ」、「知的資本・イノベーション」、「経済的影響力」の4領域においても、トップ10入りを果たしています。60の変数を見ると、「ソフトウェア開発とマルチメディアデザイン」、「医療システム(寿命に対する医療の寄与)」、「世界トップ500企業の本社数」、「破綻処理体制」において、1位を獲得しています。

一方、「産業・生活のコスト」の領域は、昨年の21位からさらにランクを落として最下位である27位となり、ビジネスおよび生活におけるコストが改善されていないことがうかがえます。また、「持続可能性と自然環境」の領域も19位タイと下位につけています。その中の変数である「自然災害のリスク」は、昨年に引き続き今年も最下位となっており、総合評価に影響を与えています。

 

全27都市の概観

図2:アジアの9都市の総合
ランキング
1 シンガポール
2 香港
3 東京
4 シドニー
5 ソウル
6 北京
7 クアラルンプール
8 上海
9 ムンバイ

全27都市の総合評価(図1)を見ると、全領域においてバランスのとれた評価を得たニューヨークが1位を獲得しました。続いて、ロンドンがニューヨークに僅差で2位(昨年6位)、パリが4位(昨年8位)となっています。ロンドンとパリが、昨年よりランクアップし上位となった背景の1つとして、今年より新しく用いている「都市の国際性」の領域において、それぞれ1位、2位と高い評価を得ていることが挙げられます。また、昨年に引き続き、生活の質やサステナビリティにおいて評価が高いトロント、ストックホルム、サンフランシスコがそれぞれ3位、5位、6位と上位にランクインしています。

今年は、新興都市である北京と上海が、「経済的影響力」および「都市の国際性」の領域において、トップ5にランクインという結果になりました。経済発展や人口増加に伴い、新たな事業ニーズや海外からの投資が増えていることなどが背景として考えられます。今後、これらの都市がさらに競争力を高めるためには、経済力や国際性だけではなく、人々の生活の質や暮らしやすさなど社会的領域における発展が必要となります。

 

2025年の人口・雇用・生産性に関する予測

本レポートでは、5つの仮定に基づいたモデルを構築・分析し、2025年の各都市における雇用や生産性を予測しています。今後の都市の発展が、知的資本、テクノロジーおよび国際性に基づくと仮定すると、ロンドン、東京、ニューヨークなどの成熟都市において成長が大きく見られるとの結果になっています。一方、人的労働力の代替となる安価なテクノロジーの導入や保護貿易の拡大が進むと仮定すると、全27都市は雇用や生産性において伸び悩むこととなり、東京への影響も大きいと予測しています。

また、現在の成長が続くことを前提とした基本シナリオでは、2025年までに、対象とした27都市において新たに1,360万人の雇用および3.3兆USドルのGDPが創出されると予測しています。都市の急激な成長のため、いくつかの新興都市では巨額の投資が必要となり、2012年から2025年までの間、北京と上海は年間GDPの42%、ムンバイは35%ものインフラ投資が必要との算出をしています。一方、ロンドンは年間GDPの17%、東京は20%となっており、北京、上海、ムンバイと比べるとかなり低い割合になると予想しています。

 
 

PwCの PPP*・インフラ部門アジア太平洋地区代表を務める野田由美子パートナーは、「今回の調査結果からは、東京は、『交通・インフラとテクノロジーに優位性を持つ一方で、災害リスクが高く、コストも含めたビジネス環境においては依然改善の余地が大きい』という都市の姿が改めて浮き彫りになった。総合評価では10位に入ったものの、アジアにおいてはシンガポール、香港の後塵を拝している。急速な成長と都市化が進む中、優れた人材や企業をめぐる地域内競争はますます激化することが予想される。シンガポールでは、都市の魅力を高めることを国家戦略の中核におき、そのノウハウを海外にも積極的に輸出している。東京という一都市に留まらず日本全体の課題として捉え、さらなる競争力の強化策を講じる必要があるのではないか」と指摘しています。

*PPP:Public-Private Partnership (官民パートナーシップ)

 

【各領域上位3位までの都市、および東京の順位】

10の分析領域 上位3位までの都市、および東京の順位
知的資本・イノベーション/
Intellectual capital and innovation
ストックホルム、トロント、パリ 〔東京10位〕
テクノロジーの水準/
Technology readiness
ソウル、サンフランシスコ、ニューヨーク 〔同6位タイ〕
交通・インフラ/
Transportation and infrastructure
シンガポール、トロント/ソウル(2位タイ)、東京
健康・安全・治安/
Health, safety and security
ストックホルム、トロント、シドニー 〔同11位タイ〕
持続可能性と自然環境/
Sustainability and the natural environment
シドニー、トロント/サンフランシスコ(2位タイ)、ベルリン 〔同19位タイ〕
経済的影響力/
Economic clout
北京、パリ、ニューヨーク/ロンドン(3位タイ) 〔同10位〕
ビジネスのしやすさ/
Ease of doing business
シンガポール、香港、ニューヨーク 〔同9位〕
産業・生活のコスト/
Cost
ベルリン、ソウル、クアラルンプール 〔同27位〕
人口構成・居住快適性/
Demographics and livability
パリ、香港/シドニー(2位タイ)、サンフランシスコ 〔同12位タイ〕
都市の国際性/
City gateway
ロンドン、パリ、北京 〔同7位〕
 

【本レポートの概要】

今回で第5回目のリリースとなる「Cities of Opportunity - 世界の都市力比較 2012」の目的は、都市を活性化する主要素(都市力)を分析することにより、経験知を得たり、傾向を発見し、都市の成長や回復に貢献することです。

東京に関する分析結果「Tokyo Fact Sheet」は、www.pwc.com/jp/ja/japan-news/assets/pdf/cities-opportunity2012tokyo-fact-sheet.pdf [日本語] [PDF 864KB]に掲載しています。また、利用者が都市と変数を自由に組み合わせて都市を比較することができるインタラクティブツールをウェブサイトwww.pwc.com/cities[英語]に開設しており、全文資料[英語、PDF]の入手も可能です。

「Cities of Opportunity - 世界の都市力比較 2012」は公開データをもとに分析を行っています。主なソースは、1)世界銀行や国際通貨基金などの多国間開発を手がける世界的な組織、2)英国の国家統計局や米国の国勢調査局などの各国統計機関、3)商用データ提供機関です。データは2011年の後半および2012年の第1四半期に集め、多くの場合2010年および2011年の実績を示しています。中には国のデータを都市のデータとして代用しているケースもあります。また採点方法は、透明性、シンプルさ、および都市間の比較のしやすさを考慮して開発しました。

分析対象として、以下27都市を選択しています。主な選択基準は、1)経済および金融市場の中心地であること、2)地理的な偏りがないこと、3)成熟都市と新興都市のバランスが取れていること、の3つとなっています。

アフリカ: ヨハネスブルグ
アジア・
パシフィック:
ソウル、東京、北京、上海、香港、シンガポール、ムンバイ、シドニー、クアラルンプール
ヨーロッパ: ロンドン、パリ、ベルリン、ストックホルム、モスクワ、マドリード、ミラノ
中東: アブダビ、イスタンブール
北米: ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、トロント、メキシコシティ
南米: サンパウロ、ブエノスアイレス

以上


PwCについて

PwCは、世界158カ国におよぶグローバルネットワークに180,000人以上のスタッフを有し、高品質な監査、税務、アドバイザリーサービスの提供を通じて、企業・団体や個人の価値創造を支援しています。詳細はwww.pwc.com をご覧ください。

Partnership for New York Cityについて

Partnership for New York Cityのミッションは、ニューヨークの経済を発展させ、ニューヨークを世界の経済・金融・技術革新の中心として維持するために貢献しようというビジネスコミュニティーの形成にあります。New York City Fundを通じてパートナーシップは、雇用の創出や経済的に疲弊しているコミュニティの改善、新規ビジネスの促進につながるプロジェクトに直接関与しています。パートナーシップを構成する企業は、合計で約700万人に及ぶ雇用を米国において創出しており、GDPに対しても7,400億ドルの貢献をしています。

PwC Japanについて

PwC Japanは、あらた監査法人、プライスウォーターハウスクーパース株式会社、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース、およびそれらの関連会社の総称です。各法人はPwCグローバルネットワークの日本におけるメンバーファーム、またはその指定子会社であり、それぞれ独立した別法人として業務を行っています。

複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanでは、監査およびアシュアランス、アドバイザリー、そして税務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、その他専門職員約4,000人を擁するプロフェッショナルサービスファームとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。

 
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