スポーツの経済学:PwC、ロンドン五輪メダル獲得数のベンチマーク分析を実施

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- 英国はオリンピック開催国の強みを発揮することが期待される
- 経済規模がメダル獲得数に大きく影響、しかし番狂わせの可能性も
- 今回も米国と中国がメダル数のトップ争いを展開する見込み

2012年7月6日
PwC Japan

*本プレスリリースは、2012年6月14日にPwC UKが発表したプレスリリースの翻訳です。

2012年6月14日 ロンドン - PwCのエコノミストが行ったロンドンオリンピックのメダル獲得数に関する分析では、今回も開催国がメダル獲得において有利な可能性があること、また、メダル数のトップ争いは再び米国、中国、ロシアの超大国間で繰り広げられるだろうと予想しています。

PwCでは、各国の五輪メダル獲得数と、過去の五輪での成績や経済状態、スポーツへの支援政策などの各要素との相関関係について分析を行っており、今回が4回目の発表となります。前回2008年北京オリンピックの実際の結果を踏まえ、予測データを更新しました。

以下の政治的・経済的要素が、これまでの各国の五輪メダル獲得数について説明する上で、統計的に重要な意味を持つことが分かりました。

  • 人口
  • 平均所得水準(購買力平価換算レートによる一人当たりGDPにより算出)
  • 五輪競技に国家規模の支援を行う傾向が見られた旧ソビエト/共産主義国家か否か(キューバ、中国含む)
  • 開催国か否か

PwC UKのチーフエコノミスト、ジョン・ホークワース(John Hawksworth)は次のようにコメントしています。「一般的に、メダル獲得数はその国の人口や経済的豊かさに伴い増加する傾向にあります。ただしそれらは比例関係にあるというほどではありません。オリンピックの舞台では番狂わせも起こり得ますが、米国、中国、ロシアといった超大国が、メダル数上位を独占する状況は変わらないでしょう。」

以下は、PwCモデルによるロンドン五輪メダル獲得数上位10カ国の予想です。2008年の北京五輪との比較表になっています。対象全30カ国の順位については、本リリースの後半に掲載しています。

国名 2012年 ロンドン五輪
メダル獲得数(予想)
2008年 北京五輪
メダル獲得数
増減
1. 米国 113 110 +3
2. 中国 87 100 -13
3. ロシア 68 73 -5
4. 英国 54 47 +7
5. オーストラリア 42 46 -4
6. ドイツ 41 41 0
7. フランス 37 41 -4
8. 日本 28 25 +3
9. イタリア 27 27 0
9. 韓国 27 31 -4

PwCモデルから得られた興味深い結論には以下のようなものがあります。

  • 前回の北京五輪の開催国であった中国は、同五輪において金メダル数では1位であったが、メダル獲得数では米国を下回った。ロンドン五輪では、もはや開催国ではないこともあり、中国は米国を上回ることは難しいと予想される。
  • 近年の五輪では、開催国が大きな強みを発揮している(1996年アトランタオリンピックを除く)。したがって、PwCモデルでは、今回、英国が北京五輪での驚異的なメダル数(47個)をさらに上回る54個前後を獲得すると予想している。
  • ロシアは、経済規模に比べ今回も好成績となる第3位(メダル数68個)となるとPwCモデルは予想している。しかし、旧ソ連時代の絶頂期から比べ下降傾向が続いている。
  • インドは、人口やGDP規模に比べ五輪成績は大きく低迷し、過去の結果を踏まえたモデルによると、ロンドン五輪でのメダル数の目安は5-6個程度と予想される。その理由として、インドで盛んなスポーツはクリケットなど五輪種目に含まれていないものが多い(ホッケーを除く)、とする説が最も有力である。
  • PwCモデルによると、ドイツフランスイタリアスペインおよびオランダなどの西欧大国は、(各国とも前回を上回ることを期待しているに違いないが)概ね前回北京五輪の成績と同程度と予想される。
  • PwCモデルにおいて、獲得メダル数が北京五輪を下回るとされた国は、2000年シドニーオリンピックをピークに緩やかな下降が続くオーストラリア、さらには、ウクライナベラルーシなど、1991年以前に国家規模の強力なサポートを得ていた強みが徐々に失われつつある一部の旧ソ連邦諸国である。
  • 前回五輪の成績を上回る可能性があると見込まれる国々は、開催国の英国以外では日本ブラジル(2016年五輪の開催国)、ルーマニアトルコとなっている。

以上

注記:

1.PwCモデルによる2012年ロンドン五輪メダル獲得数の予測(2008年北京五輪との対比)

国名 2012年ロンドン五輪
メダル獲得数(予想)
2008年北京五輪
メダル獲得数
増減
1. 米国 113 110 +3
2. 中国 87 100 -13
3. ロシア 68 73 -5
4. 英国 54 47 +7
5. オーストラリア 42 46 -4
6. ドイツ 41 41 0
7. フランス 37 41 -4
8. 日本 28 25 +3
9. イタリア 27 27 0
10. 韓国 27 31 -4
11. ウクライナ 21 27 -6
12. キューバ 20 24 -4
13. スペイン 18 18 0
14. オランダ 16 16 0
15. カナダ 15 18 -3
16. ブラジル 15 15 0
17. ベラルーシ 14 19 -5
18. ケニア 13 14 -1
19. ルーマニア 11 8 +3
20. ハンガリー 11 10 +1
21. ジャマイカ 11 11 0
22. ポーランド 10 10 0
23. トルコ 10 8 +2
24. カザフスタン 9 13 -4
25. ギリシャ 8 4 +4
26. ノルウェー 7 9 -2
27. ブルガリア 7 5 +2
28. ニュージーランド 7 9 -2
29. デンマーク 7 7 0
30. アルゼンチン 7 6 +1
上位30カ国のメダル獲得数合計 761 792 -31
他の諸国 197 166 0
メダル獲得数合計 958 958 0

出典: PricewaterhouseCoopersモデル予想

2.本プレスリリースの情報は、PwC UKによる報告書 「Economic briefing paper: Modelling Olympic performance」(英文) [PDF 928KB]からの抜粋です。本報告書は、2000年、2004年、2008年の五輪開催時に発表した同様の調査を更新したものです。

 

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