世界のカジノ収益、2015年には1,828億米ドルに達する見通し

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-世界経済に不透明感が漂う中、カジノ業界は未来志向である
-安定成長と同時に、常に持続的な革新/ビジネス領域の拡大が起きている同業界は、新規顧客の獲得と顧客の囲い込みに照準を合わせている

2011年12月20日
PwC Japan

(本プレスリリースは、2011年12月5日にPwCが発表したプレスリリースの抄訳です。)

2011年12月5日 - PwCの年次レポート「Global Gaming Outlook: 2015年までのカジノ&オンラインカジノ市場」では、成熟市場における変化の動向と課題、発展を遂げつつある新たなカジノ区域における今後の成長機会、さらには、オンラインカジノ分野において進みつつある法令・規制の動向と今後市場に与えるインパクトについて分析しています。

2015年までのカジノ市場について

PwCの予測では、米国、欧州・中東・アフリカ(EMEA)、アジア太平洋地域、中南米およびカナダを合計した世界のカジノ市場の収益は、今後5年間に年間平均成長率(CAGR)9.2%のペースで成長を続け、2010年の1,176億米ドルから2015年には1,828億米ドルに達するものと見込まれます。

米国のカジノ消費額は、年間平均5.0%の成長率により、2010年の575億米ドル(世界市場の48.9%)から2015年には733億米ドル(同40.1%)に達するものとみられます。しかし、アジア太平洋地域はCAGR18.3%という米国を大幅に上回る成長が見込まれ、2013年に米国を抜いて世界最大のカジノ市場となり、2015年には793億米ドル(同43.4%)に達するでしょう【図1】。

EMEAの収益は、CAGR 2.4%で、2010年の163億米ドルから2015年には183億米ドルまで成長するでしょう。景気の悪化や、複数の国における規制強化の影響が成長の足かせとなることが予想されています。規模の小さい中南米市場については、CAGR 8.1%で2010年の38億米ドルから2015年には56億米ドルとなり、カナダではCAGR 1.8%で2010年の57億米ドルから2015年には62億米ドルとなる見込みです。

図1:世界のカジノ市場に各地域が占める割合

PwCのグローバル エンタテイメント&メディア部門リーダーのマルセル・フェネス(Marcel Fenez)は次のようにコメントしています。

「世界経済の情勢が話題に上がりますが、それが最も顕著にあらわれたのがカジノ市場でした。世界金融市場の混乱により、主要なカジノ市場において、顧客の大幅な支出減少が起きています。一方、大きな成長を遂げているのがアジアです。カジノのスリルに溢れるリスクとリターンのバランスが、新たな娯楽を求めている同地域の中間富裕層の多くを引きつけています。」

アジア太平洋地域 - 成長の原動力

アジア太平洋地域は、PwCの予測期間中、マカオを中心に大きな成長を遂げるでしょう。こうした成長を支える要因として、1)継続的な経済成長が可処分所得を押し上げ、中間富裕層が出現してきていること、2)同地域の社会の多くに、カジノやその他のギャンブルに対する強い文化的結びつきが見られること、そして、3)新しいカジノセンターの建設や既存のカジノセンター内での新たな施設開設により、消費者がカジノを楽しむ機会が増えていること、が挙げられます。

新たなカジノセンターとして華々しく登場したシンガポールは、カジノ市場に参入した新たなテリトリーの代表例です。2009年にゼロからスタートを切った同カジノ市場の収益は急増し、2011年は44億米ドル、2015年は72億米ドルにまで達するとされています。カジノセンターに直結した交通機関の開発に加え、規制の緩和も収益増に貢献しているといえます。フィリピンはすでに安定したカジノ市場を築いており、同国内に設けられた新たなカジノ施設はさらなる成長をもたらすでしょう。また、日本においてカジノの認可が下りれば、おそらく国内2、3カ所に総合カジノリゾートが誕生する可能性があります。

アジア太平洋地域におけるカジノ市場の繁栄が続き、地元でカジノに興じる機会をより多く提供すれば、これまで米国まで出かけてカジノに大金を投じていた上客の一部も、アジア太平洋地域の魅力により取り込むことができるでしょう。これにより、ネバダなど、収益の多くを外国人観光客に頼っている米国のカジノは影響を受けることになるでしょう。

オンラインカジノについて

世界各地でオンラインカジノが行われていますが、オンラインカジノは合法的な消費と非合法なものが入り混じった状態にあり、市場規模の正確な把握は難しいといえます。オンラインカジノに関する規制は、複雑なため不明瞭な場合が多く、異なる解釈も可能であることから、依然として国ごとや、オンラインカジノ/モバイルカジノの種類によって、規制に大きな差が生じています。

世界の合法的なオンラインカジノの大半はEMEAで行われており、英国には世界最大のオンラインカジノ市場があります。同国では、2005年にオンラインカジノが合法化されました。なお、EU域内では、オンラインカジノ、特にポーカーや競馬その他のスポーツへの賭けに関して、規制を設ける国が増加しつつあります。しかし、EU加盟国はEU法との整合性を取ることが求められるため、当初の予想よりも手続きは複雑で、法整備に時間がかかることが判明しつつあります。英国も、ジブラルタルやマルタなどの海外統治領で回収できていない税収の確保に向け、規制の変更を検討しているところです。

オンラインカジノの将来

今後数年間において、オンラインカジノ業界に大きな変化をもたらすキーポイントは4つあると考えられます。

  • 国境や州の境界を越える流動性の確保
    オンラインカジノに関する国内または州別の規制整備は今後も続いていくでしょう。カジノビジネスが行われているどの区域においても、カジノに参加可能なプレイヤーの数がどの程度なのか、また、その数が市場の存続と成長に十分なのかどうか、という疑問が残ります。収益および税収の伸びを維持する最適な長期的解決策は、州や国を越えたオンラインカジノを認め、適切な規制の枠組みを設けた上で、異なるテリトリー間の流動性を確保することでしょう。
  • 現実的な課税水準の設定
    オンラインカジノによる税収の増加は魅力的ではありますが、事業者と消費者の双方に対する政府の課税水準の設定にはバランスが必要です。課税水準が適切でない場合、高税率の地域では成長が阻害される可能性があり、収益を逃すリスクが高まります。
  • オンラインカジノの種類別アプローチ
    種類の異なるカジノには異なるアプローチを採用することが、さまざまな市場における規制の確立と市場の成長を促進させていくことでしょう。米国で合法化が実現すれば、オンラインポーカー業者には州をまたいだ営業が許可されるようになります。これは、今後数年で実現するものと考えられます。また、オンラインの馬券購入も増え、宝くじも州を越えてますます広がるでしょう。このような規制上の変化は、米国において州を越えたオンラインカジノが合法化される転機となり得るものであり、新たな時代のスタートとなるでしょう。区域ごとの違いが最も顕著になりそうな部門の一つが、スポーツくじです。欧州では既に市場が確立していますが、米国では懸念も多く、オンライン環境での進展はあまり期待できません。
  • オンラインカジノとソーシャルネットワークの一体化
    ソーシャルネットワークの利用は、デジタル/モバイルテクノロジーのユーザーにとって自然な流れであり、オンラインカジノの世界に活気と成長をもたらす鍵となるでしょう。ソーシャルネットワークは、利用者のレベルが高く、またリモートアクセスが容易であるため、オンラインカジノを推進する上で特に重要な役割を担うことになるでしょう。

2015年以降について

2013年にはアジア太平洋地域が収益で米国を追い越し、世界最大のカジノ市場となるなど、2015年までに世界のカジノ業界における収益面のパワーバランスは、東に大きく傾いていくでしょう。多くの市場においてオンラインカジノの利用や収益が増加し、オンラインカジノが合法的な行為として主流となることによって、カジノ業界はいくつかの面で劇的な進展を遂げるとみられます。

オンラインカジノは従来型のカジノによる収益を補完するものですが、どちらのカジノも消費者の心をつかむサービスを提供する限り、市場の開拓余地はまだ十分過ぎるほどあるといえます。ただし、新興の区域に新たにカジノが建設されると、アトランティックシティなどの成熟したカジノ市場にとっては問題となります。消費者は、自国により近い場所でカジノを楽しむ機会を求めているためです。

PwCのカジノ業界リサーチ・分析部門ディレクターのメアリー・リン・パレニク(Mary Lynn Palenik)は次のようにコメントしています。

「従来型のカジノ市場、あるいはオンラインカジノ市場のどちらにしても、最優先課題は同じです。世界のデジタル化がますます進む中、消費者は、どこに居ようと(別の場所に移動する必要なく)大量の情報にアクセスし、多くの経験を享受することができます。こうした環境において、カジノ業界は、消費者の裁量可能な支出の応分のシェアを獲得すべく、厳しい競争を余儀なくされるでしょう。」

 

以上


 

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