PwC、年次調査レポート
「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック 2011-2015」を発行

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-2010年の日本のエンタテイメント&メディア市場は1,740億ドルで、米国に続き第2位、アジア市場の44.1%を占める
-2011年の市場規模は東日本大震災の影響により2.8%の減少を予想、向こう5年間の年間平均成長率は2.5%と主要国中最低に
-中国は、同率11.6%と群を抜いて急速に成長し、2015年には1,480億ドルの市場規模に
-世界の広告市場では、2012年にインターネット広告(モバイル含む)が新聞広告を抜き、トップのテレビ広告に次ぐ位置に

2011年6月14日
PwC Japan

世界最大級の監査・税務・アドバイザリーファームであるPwC(プライスウォーターハウスクーパース)は6月14日に年次調査レポート「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック 2011-2015」を発表しました。

本レポートによると、世界的な潮流として、インターネット上やデバイス上でのデジタル体験が普通のことになりつつある中、デジタル体験を望むこうした消費者が発言権を強め、市場を牽引する時代が到来していることがわかりました。また、世界の多くの地域でエンタテイメント&メディア(以下、E&M)業界は不況から脱しつつあり、各種デバイスの革新的な発達に促された消費者のデジタルへの移行により、市場の深いところで大きな変革が起こっていると分析しています。

2010年の世界経済は2009年の深い落ち込みから回復をみせ、2010年のE&M市場も景況の改善により世界全体で4.6%の伸びをみせ、1.4兆ドルに達しました。中でも中国やインドなど世界的な不況の痛手を被っていないいくつかの国では、E&M市場が著しい成長を示しました。

向こう5年間の予測をみると、世界のE&M市場は、経済成長を追い風に2010年の1.4兆ドルから、2015年の1.9兆ドルへと年平均成長率5.7%の伸びが予測されています。その背後で、従来の伝統的なプラットフォームからデジタル・プラットフォームへの移行も進み、2010年にE&Mの全体市場の25.9%を占めるデジタル支出が、2015年には33.9%に及ぶとみています。

E&M業界を支出カテゴリー別にみると、周期的に最も大きな揺れを示す広告支出は、2009年の対前年比11.0%の落ち込みから、2010年には同比5.8%の回復をみせました。市場規模では、2010年の4,420億ドルから2015年の5,780億ドルへと年平均成長率5.5%の伸びを示すでしょう。さらに、セグメント別に見てみると、世界全体でインターネット広告(モバイル含む、以下同様)およびテレビ広告が大きく成長するとみています。特にインターネット広告は2012年には新聞広告市場を抜き、トップのテレビ広告に次ぐポジションを獲得するでしょう。

消費者・エンドユーザー支出は、2009年には前年から0.4%下落しましたが、2010年には2.2%の回復をみせました。対照的に、インターネットアクセス市場は景気サイクルの影響をほとんど受けず、2009年と2010年はともに対前年比9.2%伸長した結果、2010年には2,700億ドルの市場規模に達しました。2011年から向こう5年間は年平均成長率8.6%のペースで拡大し、2015年には4,080億ドルの市場に成長すると予測しています。

日本のE&M市場を見てみると、2010 年の対前年伸び率は0.7%とアジア市場で最も低い数値となりましたが、市場規模ではアジア市場全体の44.1%にあたる1,740億ドルとなり、米国に次いで第2位となっています。2011年は東日本大震災の影響などにより、対前年比2.8%の落ち込みが予想されていますが、向こう5年間の年間平均成長率は2.5%、2015年の市場規模予測は1,970億ドルで、世界第2位の位置を維持すると予想されています。セグメント別では、インターネット広告、ビデオゲーム、テレビ放送の各業界が比較的堅調に推移するとみられ、年間平均成長率はそれぞれ9.6%、6.4%、5.0%と予想されています。市場の成長が注目される中国は、向こう5年間で年間平均成長率11.6%と高い伸び率を示し、2015年には1,480億ドルの市場規模になるでしょう。2011年にはドイツを抜いて世界第3位に浮上するとみられています。【図1】

図1 世界のエンタテイメント&メディア市場における上位5カ国の市場規模推移
図1 世界のエンタテイメント&メディア市場における上位5カ国の市場規模推移
注) 2011年~2015年は予測

【主な調査結果】

世界全体および地域別

  • 世界のE&M市場は、市場規模を2010年の1.4兆ドルから2015年の1.9兆ドルに拡大するとみています。向こう5年間の年間平均成長率は5.7%と予測しています。2009年の急激な縮小から世界経済は復活し始めています。E&M市場も2009年の2.4%のマイナス成長から、2010年には、4.6%のプラス成長へと回復し始めています。
  • 最も成長が著しい地域は中南米で、向こう5年間で年間平均成長率10.5%、2015年には1,090億ドル規模の市場となるでしょう。これに次ぐ成長をみせるのはアジア太平洋で同6.5%、2015年には5,410億ドルの規模になるでしょう。続いて欧州・中東・アフリカ(EMEA)が同5.2%、同規模6,140億ドルと予測されており、2013年には市場規模で北米を抜き、世界最大市場になると予想されています。規模は最大であるものの最も成長が鈍い北米は、同4.7%、2010年の4,810億ドルから2015年には6,070億ドルの市場規模になるとみられています。
  • 2010年のE&M業界の国別市場規模は、米国の4,430億ドル、日本の1,740億ドルをはじめ、12カ国において250億ドルを上回りました。向こう5年間の予測を見てみると、主要国のうち、中国とブラジルはそれぞれ年間平均成長率が11.6%、11.4%と、群を抜いて急速な成長を遂げるものとみています。中国は2011年にはドイツを抜き、世界で3番目の市場になるでしょう。

日本およびアジア

  • 日本はアジアにおける主要国であり、2010年の市場規模はアジア市場の44.1%にあたる1,740億ドルを占め、米国に次いで2番目に大きな国となっています。東日本大震災の影響などで2011年においては、2.8%のマイナス成長になるとみています。今後5年間の年間平均成長率は、2.5%と主要国の中で最低になると予測されています。
  • 2010年において、中国はアジアにおける2番手、世界では4番目に大きな市場となっており、860億ドルの規模となります。韓国、オーストラリア、インド、インドネシアはそれぞれ、340億ドル、320億ドル、170億ドル、100億ドルの規模になっています。日本を除くアジアのE&M市場は、向こう5年間で年間平均成長率9.3%の成長を示すとみています。

セグメント別

  • 世界の広告市場では、規模の小さいビデオゲーム広告市場を除き、向こう5年間でインターネット広告およびテレビ広告が最も急成長するでしょう。インターネット広告は現在2番目に大きな新聞広告を抜き、2012年にはテレビ広告に次いで、2番目に大きなセグメントになるとみています。世界全体で広告市場は年間平均5.5%で成長すると予測されており、2010年の4,420億ドルから2015年には5,780億ドルに達するでしょう。
  • 世界の消費者・エンドユーザー支出は、2010年の7,070億ドルから2015年には8,850億ドルへ、年平均4.6%の成長率を示すでしょう。ビデオゲーム市場の同支出は、有料テレビ放送およびライセンス料、映画市場の同支出を上回り、一番の急成長を遂げるものとみています。
  • インターネットアクセスそのものは、E&Mのセグメントではありませんが、業界全体の成長を推進する主要ファクターです。インターネットアクセスの世界市場規模は、2010年の2,700億ドルから2015年には4,080億ドルになると予想されています。
  • アジアにおけるインターネット広告は、向こう5年間で年間平均14.6%の成長をみせ、2010年の180億ドルから2015年には355億ドルの市場へと成長するでしょう。

以上

本調査レポートについて

第12回目の発行にあたるPwCの「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック2011-2015」は、北米(米国、カナダ)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、アジア太平洋、中南米の各4地域(全48カ国をカバー)における、13の主要な業界セグメントの詳細な分析・見通しを掲載しています。同レポートの購入はhttp://www.pwc.com/outlook/ で受け付けています。

本調査レポートにおけるデジタル支出

インターネットアクセス(ブロードバンドおよびモバイル)、インターネット広告(モバイル含む)、ビデオ・オン・デマンド、モバイル有料テレビ放送、デジタル録音音楽の配信、オンライン有料映画レンタルおよびデジタルダウンロード、ビデオゲーム(ブロードバンドおよびモバイル)、オンライン購読(一般雑誌、新聞、業界誌)、電子書籍(一般書、教育書、専門書)、衛星有料ラジオ放送。

 

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