PwC 、第4回共同分析レポート「Cities of Opportunity – 世界の都市力比較 2011」を発表

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-東京の総合評価は26都市中14位となり、中位クラスの都市に
-寿命への医療制度の寄与度、ソフトウェアおよびマルチメディアの開発とデザイン、世界トップ500企業の本社数においては1位を獲得したが、持続可能性、コストおよび人口構成の点においては下位クラスに甘んじる
-震災前の調査にも関わらず、自然災害のリスクでは最下位の結果に

2011年5月18日
PwC Japan

世界最大級の監査・税務・アドバイザリーファームであるPwC(プライスウォーターハウスクーパース)は、米国 Partnership for New York Cityと共同で、第4回目となる年次レポート「Cities of Opportunity - 世界の都市力比較 2011」を発表しました。本レポートでは、世界の産業・金融・文化の中心となる主要26都市について、都市を活性化する主要素(都市力)を、2010年に収集したデータをもとに10の領域・66の変数を用いて分析し、それぞれランキングを公表しています。

分析の結果、東京の総合評価は26都市中14位と全体の中位でのランク入りとなりました。Intellectual capital and innovation(知的資本・イノベーション)、Technology readiness(テクノロジーの水準)、Transportation and infrastructure(交通・インフラ)、Health, safety and security(健康・安全・治安)、Economic clout(経済力)、Lifestyle assets(ライフスタイル関連資産)の6領域において、昨年に引き続きトップ10をキープしています。中でも、Intellectual capital and innovation(知的資本・イノベーション)、Transportation and infrastructure(交通・インフラ)、Lifestyle assets(ライフスタイル関連資産)においてはアジアをリードする結果を示しています。また66の変数のうち、Health system performance(寿命への医療制度の寄与度)、Software and multimedia development and design(ソフトウェアおよびマルチメディアの開発とデザイン)、Number of Global 500 headquarters(世界トップ500企業の本社数)では、1位を獲得しています。

一方、現在世界的に注目度の高い再生可能エネルギーや資源のリサイクルを変数として含むSustainability(持続可能性)は、昨年の9位から大きくランクを落として21位、またCost(産業・生活のコスト)は昨年と同順位の21位となっており、生活およびビジネスにおけるコストが極めて高い都市となっていることがうかがえます。また、Demographics and livability(人口構成・居住快適性)でも19位と下位につけています。その中の変数であるNatural disaster risk(自然災害のリスク)では、東日本大震災前の調査にも関わらず、26位と全都市中最下位の結果となっています。

26都市を概観すると、全領域においてバランスの取れた評価を得たニューヨークが総合評価で1位となったものの、僅差で、生活の質やバランスにおける評価が高いトロント、サンフランシスコ、ストックホルム、シドニーが続いています。一方、旧来からの金融やビジネスの中枢であるロンドン、パリ、東京はそれぞれ6位、8位、14位との結果になっており、規模や経済力においてはこれらの都市とは比較にならないトロント、サンフランシスコなどの新進の都市が上位となっていることは、世界情勢の変化を反映していると考えられます。新進の都市は、創造力に富む優秀な人材や最先端のビジネスを惹きつけるための包括的アプローチを採用することにより、新たな視点から未来を築こうとしています。

またアジア6都市を見ると、総合評価でシンガポール、香港、東京、ソウル、北京、上海がそれぞれ9位、10位、14位、16位、17位、19位という結果になっています。総合評価で東京よりも上位となったシンガポールと香港は、特にEase of doing business(ビジネスのしやすさ)の領域において高く評価されており、香港1位、シンガポール2位となっています。またソウルは、Technology readiness(テクノロジーの水準)の領域において強みを発揮しており、2位に入っています。


本レポートにおける10の分析領域と、各領域の上位3位までの都市、および東京の順位は以下の通りです。

  • Intellectual capital and innovation(知的資本・イノベーション): ストックホルム、トロント、ニューヨーク/サンフランシスコ(3位タイ) 〔東京7位〕
  • Technology readiness(テクノロジーの水準): ニューヨーク、ソウル、ストックホルム 〔同9位タイ〕
  • Transportation and infrastructure(交通・インフラ): パリ、シカゴ、ニューヨーク 〔同6位〕
  • Demographics and livability(人口構成・居住快適性): ストックホルム、シドニー、トロント 〔同19位〕
  • Economic clout(経済力): ロンドン、パリ、ニューヨーク 〔同9位タイ〕
  • Cost(産業・生活のコスト): ヒューストン、ロサンゼルス、シカゴ 〔同21位〕
  • Lifestyle assets(ライフスタイル関連資産): ニューヨーク、パリ、ロンドン 〔同7位〕
  • Health, safety and security(健康・安全・治安): ストックホルム、トロント、シカゴ 〔同10位〕
  • Ease of doing business(ビジネスのしやすさ):香港、シンガポール、ニューヨーク 〔同12位〕
  • Sustainability(持続可能性): ベルリン、シドニー、ストックホルム 〔同21位〕

PwCの PPP*・インフラ政府部門アジア太平洋地区代表を務める野田由美子は、「人も企業も資本も容易に移動可能な今日にあって、新たな都市の成功の鍵は、優れたハードインフラと就労の機会を提供するだけではなく、人々が暮らし、家族を作り、自らが成長し続ける場としての魅力をどれだけ提供できるかへと変化している。世界のリーダーたちは、そのことに気がつき始め、たゆまない努力を続けている。北京・上海など中国の都市も、経済成長一辺倒から持続可能な都市の構築へと舵を切っており、少しずつ成果が現れつつあるように見える。生産年齢人口の急速な減少に直面する日本の都市は、自然災害というハンディキャップを抱えながら、いかに世界の人々から選ばれる都市になり得るのか、さらなる知恵と努力が必要となろう。」と指摘しています。

*PPP:Public-Private Partnership (官民パートナーシップ)

 

【本レポートの概要】

今回で第4回目のリリースとなる「Cities of Opportunity-世界の都市力比較 2011」の目的は、都市を活性化する主要素(都市力)を分析することにより、経験知を得たり、傾向を発見し、都市の成長や回復に貢献することです。本年度より、より明確で分かりやすいランキングを入手したいという要望に応えるため、総合評価を公開しています。
東京に関する分析結果は、「Tokyo Fact Sheet」 [PDF 620KB]をご覧下さい。また、利用者が都市と変数を自由に組み合わせて都市を比較することができるインタラクティブツールをウェブサイト www.pwc.com/cities [英語]   に 開設しており、全文資料(PDF)の入手も可能です。

「Cities of Opportunity-世界の都市力比較 2011」は公開データをもとに分析を行っています。主なソースは、1) 世界銀行や国際通貨基金などの多国間開発を手がける世界的な組織、2) 英国の国家統計局や米国の国勢調査局などの各国統計機関、3) 商用データ提供機関です。データは2010年の第2および第3四半期に集め、多くの場合2009年および2010年の実績を示しています。中には国のデータを都市のデータとして代用しているケースもあります。また採点方法は、透明性、シンプルさ、および都市間の比較のしやすさを考慮して開発しました。

分析対象には以下の26都市を選択しています。主な選択基準は、1) 資本市場の中心地であること、2) 地理的な偏りがないこと、3)成熟都市と新興都市のバランスが取れていること、の3つとなっています。

アフリカ: ヨハネスブルグ
アジア・パシフィック: ソウル、東京、北京、上海、香港、シンガポール、ムンバイ、シドニー
ヨーロッパ: ロンドン、パリ、ベルリン、ストックホルム、モスクワ、マドリード
中東: アブダビ、イスタンブール
北米: ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ヒューストン、トロント、メキシコシティ
南米: サンパウロ、サンティアゴ
 

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