2014年までの世界のカジノ市場の展望

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~アジア太平洋地域のカジノ市場、他地域を引き離し大躍進~
~オンラインカジノ市場の先行きはいまだ不透明~

2010年12月21日
PwC Japan

(本プレスリリースは、2010年12月7日にPwCが発表したプレスリリースの抄訳です。)

2010年12月7日 - PwCはカジノおよびオンラインカジノ*1両業界のトレンドを調査したレポート「 Playing to win」*2を発表しました。同業界の分析には、2014年までの世界の消費額予測(賭け金から賞金としてプレイヤーに戻された金額を差し引いた額である粗利益をさす)をデータとして用いています。

世界のカジノ・オンラインカジノ業界は、全体としては金融危機の嵐を何とか乗り切ったものの、地域によっては収益が大きく減少しているところも見られます。明らかなことは、世界的に見て、西洋から東洋へのパワーシフトが起きていることです。

2014年まで、世界のカジノ業界は、多くの点で現状に近い状態、すなわち大規模で格式の高いカジノ施設開発が大半を占める状態が続くでしょう。しかし、こうした継続的投資と並んで、多くの市場でオンラインカジノの収益が急増し、また消費力が西洋から東洋へ、特にアジア太平洋地域へと移行するにつれて大きな変化が生じるでしょう。ただし、2014年においても世界最大のカジノ市場は米国であり、同国が世界の全収益に占める割合は、アジア太平洋地域の40%に対して44%になると予想しています。

2014年までのカジノ市場について

カジノ市場は、昨今の景気後退の影響を被っています。2009年のカジノ消費額は全世界で見ると2.8%減という数値ですが、地域にまで目を向けると、同年、欧州・中東・アフリカ(EMEA)は12.2%減、米国は3.4%減となっています。

これと対照的なのが、アジア太平洋地域です。2008年、欧州・中東・アフリカ(EMEA)を抜き去りカジノ市場で世界第2位に躍り出た同地域は、破竹の勢いを見せています。2009年に成長率7.4%とわずかに鈍化しましたが、2010年には成長率を50%近くまで回復させています。規模の小さい南米市場も成長を見せており、景気後退の影響は他地域ほどではありませんでした。

2014年にかけて、カジノ消費額は全世界で年間平均成長率(CAGR)9.3%と着実に成長していくでしょう。アジア太平洋地域のCAGRは23.6%で、米国、欧州・中東・アフリカ(EMEA)やカナダを大幅に上回るものと見られます。また2014年には、アジア太平洋市場が米国の消費額の92%に達し、南米の消費額も今後5年間は年平均12.8%の成長を示し、2桁台のCAGRを達成すると予測しています。

新たな市場とイノベーション

可処分所得が高い中流富裕層の出現により、アジア太平洋地域のカジノゲーム業界は大きな恩恵を受けてきました。さらに、同地域におけるカジノその他のギャンブルに対する強い文化的結びつきも、需要の後押しとなってきました。同地域への投資の増加により、シンガポールがカジノの中心地として急浮上しており、長い伝統をもつマカオのカジノ施設ではリゾート開発も進み、ビザ制限も緩和されるに至っています。

欧州・中東・アフリカ(EMEA)は、世界不況に加え、施設の禁煙命令(同地域の多くの国々で義務化されている)がカジノ需要の低下の一因となりました。

オンラインカジノ - 不透明感ぬぐえず

オンライン空間をめぐる規制はカジノ市場の規制を上回る複雑さであり、今後も業界のあり方に影響を及ぼすこととなるでしょう。現時点では、特定の法管轄区域内においてさえ、法律と規制の立場が不明確でさまざまな解釈が可能であり、消費者、市場参加者双方に不透明感と混乱を与えています。現行の規制も、オンラインカジノの各タイプによって大きく異なっています。オンラインカジノはポーカー、カジノ、競馬、サッカーや野球などスポーツへの賭け、オンラインビンゴ、オンラインロトの6つに大別されます。また、新しい形態のギャンブルの成長が著しいために、それに対する新たな法律や規制の枠組の制定が追いつかないケースも起きています。

こうした混乱の中で浮上してきた1つのアプローチが「囲い込み」です。これはたとえば、規制当局が、管轄の国または州内において同地域の住民のみを対象として認可事業者がサービスを提供することを条件に、管轄区域内における特定のオンラインカジノサービスを合法化する、というものです。

業界の一部には歓迎されているものの、米国のカジノ事業者のように、オンラインカジノが合法化された場合、収益への打撃となり、多額の投資を行ったカジノ場からプレイヤーの足が遠のいてしまう、として同アプローチに反対する関係者もいます。

欧州・中東・アフリカ(EMEA)は現在、オンラインカジノの世界的中心地であり、中でも最も開放的なオンラインカジノ市場体制を有する英国が最大の合法的市場を誇っています。しかし、この開放性が別の問題を引き起こしています。それは、マルタやジブラルタルなどの地で、英国の市場をターゲットにしているにも関わらず英国政府への納税額を抑えるというオフショアカジノ拠点の出現です。現在、英国では現行の体制を維持するのではなく「囲い込み」アプローチをとるべきか、協議プロセスが進行中です。

以上

*1: オンラインカジノは、ポーカー、カジノ、競馬、サッカーや野球などスポーツへの賭け、オンラインビンゴ、オンラインロトの6つに大別されます。
*2: 調査レポート「 Playing to win」のエグゼクティブ・サマリー(日本語)と全文レポート(英語)はhttp://www.pwc.com/jp/ja/japan-knowledge/archive/playing-to-win.jhtmlから入手できます。

 

 

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