プライスウォーターハウスクーパース、共同分析レポート「Cities of Opportunity -世界の都市力比較」を発表

~東京は交通・インフラでトップ、健康・治安、知的資本、テクノロジーの面でも高い水準にある反面、コストや居住適性の面で低いランクに~

2010年04月06日

世界最大級の監査・税務・アドバイザリーファームであるプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、米国 Partnership for New York Cityと共同で、年次レポート「Cities of Opportunity - 世界の都市力比較」を発表しました。本レポートでは、世界の産業・金融・文化の中心となる主要21都市について、都市を活性化する主要素(都市力)を、2009年に収集したデータをもとに10の領域・58の指数を用いて分析し、それぞれランキングを公表しています。

分析の結果、東京は、10の分析領域のうちTransportation and infrastructure (交通・インフラ)が21都市中トップとなり、またHealth, safety and security (健康・安全・治安)、Intellectual capital(知的資本)およびTechnology IQ and innovation (テクノロジー知能指数・技術革新)の3領域において、いずれもトップ3に入る高位置を占めています。一方、Cost(産業・生活のコスト)の面では最下位、Demographics and livability (人口構成・居住適性)では、下から6番目の低いランクとなっており、都市生活・産業の両面で、東京はバランスを欠いていることがうかがえます。アジアの中では、投資の誘致やビジネスのしやすさ、テクノロジーなどで強みを持つシンガポールをはじめ、香港なども上位に顔を見せています。

21都市を概観すると、長く世界の主要都市の座にあるニューヨーク、ロンドン、パリおよび東京は、「パワー指数」と本レポートで呼んでいる経済面での強みや知的生産性などに関連した指数においてこれまで同様優位を保っています。一方でシカゴ、トロント、シドニーなどのいわゆる第2の都市と呼ばれるグループが、居住適性や持続可能性、コストなど、東京が中位以下にとどまっている多くの面で、優勢になってきていることがわかりました。

プライスウォーターハウスクーパース ジャパンの公共事業部ディレクター 片山竜は、「グローバルでの都市間競争がますます激しくなる昨今、社会環境の変化や新たな価値観の萌芽を敏感に察知しながら、より魅力ある都市へと進化していくための絶え間ない努力が必要です」と指摘しています。「ワークライフバランスの充実や低炭素社会づくりなどの新たな価値観に対応していきながら、住みやすく魅力ある次世代の都市のトップランナーとなっていくためにも、このCities of Opportunityの分析は、政府のリーダーにいかに都市の競争力を高め、また経済活性化のためのビジネスを誘発していくべきか、そのための有用なロードマップを提供しています」と述べています。

東京に関する分析結果のハイライト

  • 東京はTransportation and infrastructure(交通・インフラ)においてトップにランキングされており、都市生活や産業における輸送面や、成長のサインとも言える高層ビルの建築プロジェクト数などのインフラ面で優位にあります。
  • Health, safety and security(健康・安全・治安)において、東京はストックホルムに次いで2位に入っています。構成指数のうち、新生児の生存率は21都市中トップ、病院の数や犯罪発生率、政治的・社会的環境面においても上位3位以内に入っています。
  • Technology IQ and innovation(テクノロジー知能指数・技術革新)の面では、ニューヨーク、シカゴに次いで3位に位置していますが、構成指数のうち、E-readiness(情報やコミュニケーション・テクノロジーの活用能力、ビジネスや法制度の透明性)が中位以下にあります。
  • Intellectual capital(知的資本)でも、パリ、ニューヨークに次いで3位に入っています。医学部の数ではトップ、高等教育を受けている人口や世界トップ500に入る大学数のシェアでも上位を占めています。
  • エンターテイメント、旅行、ファッション、食ビジネスの充実度を示すLifestyle assets(ライフスタイル関連資産)では、ニューヨーク、ロンドン、香港がトップ3を占め、東京は、6位のシンガポールに次いで7位に入っています。
  • 最も定義が難しい領域ともいえるDemographics and livability(人口構成・居住適性)では、下から6番目と低位にあります。東京は、自然災害(の発生率)、通勤時間、労働力人口の面で不利な結果となっています。
  • ビジネスのロケーションや進出先の決定において最も基本的な条件となる Cost(生活・産業のコスト)の面で、東京は21都市中最下位に位置しています。アジアの都市の中ではシドニー、ソウルがそれぞれ6位、7位に入っています。
  • その他、ストックホルムが1位を占めるSustainability(持続可能性)の面では資源のリサイクルや都市の緑化の面で遅れをとり9位、ビジネスのしやすさを示すEase of doing businessでは10位、また、Economic Clout(世界のマーケットへの影響力や投資の誘致, 成長の促進)で東京は11位にとどまっています。

本レポートの概要

今回で3回目のリリースとなる「Cities of Opportunity-世界の都市力比較」の主たる目的は、それぞれの都市の競争力を向上させたいと考えている産業界や政府のリーダーたちに指針を示すことです。そのための新しい試みとして、今回、政府や産業界、非営利組織の世界的リーダーたちへのインタビューを実施し、定性的な分析を加えました。また、利用者が指数を自由に組み合わせて都市を比較することができるインタラクティブなウェブサイト www.pwc.com/cities [英語]  を開設しています。

「Cities of Opportunity-世界の都市力比較」は公開データをもとに分析を行っています。主なソースは、1) 世界銀行や国際通貨基金などの多国間開発を手がける世界的な組織、2) 英国の国家統計局や米国の国勢調査局などの各国統計機関、3) 商用データ提供機関です。データは2009年の第2および第3四半期に集め、多くの場合2008年および2009年の実績を示しています。中には国のデータを都市のデータとして代用しているケースがあります。スコアリングの方法論は、透明性、シンプルさ、および都市比較のしやすさを考慮して構築しました。

分析対象には以下の21都市を選択しています。主な選択基準は、1) 金融をはじめ、商業、コミュニケーション、文化の拠点としてそれぞれのエリアの主要なマーケットセンターであること、2) 地理的な偏りがないこと、3) 成熟都市と新興都市のバランスが取れていること、の3つとなっています。

アフリカ: ヨハネスブルグ
アジア・パシフィック: ソウル、東京、北京、上海、香港、シンガポール、ムンバイ、シドニー
ヨーロッパ: ロンドン、パリ、フランクフルト、ストックホルム
中東: ドバイ
北米: ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、トロント、メキシコシティ
南米: サンパウロ、サンティアゴ
 

 

Partnership for New York Cityについて 

Partnership for New York Cityは、ニューヨークの5つの行政区の経済を発展させ、ニューヨークを世界の経済・金融・技術革新の中心として維持するために貢献しようという産業界のリーダーたちのネットワークです。パートナーシップを構成する企業は、合計で約700万人に及ぶ雇用を米国において創出しており、GDPに対しても7,400億ドルの貢献をしています。

 

プライスウォーターハウスクーパースについて 

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、クライアントの産業に焦点をあてた監査、税務、アドバイザリーサービスの提供を通じて、クライアントおよびその利害関係者の社会的信頼の確立と価値の向上を目指しています。世界151カ国に163,000人以上のスタッフを有するPwCのグローバルネットワークを活用し、見識や経験、ソリューションを共有することによって、常に新しい視点から実践に即したアドバイスを提供しています。

プライスウォーターハウスクーパースおよびPwCは、プライスウォーターハウスクーパース・インターナショナル・リミテッド(PwCIL)のメンバーファームによって構成されるネットワークを指します。各メンバーファームは独立した法人であり、PwCILまたは他のメンバーファームの代理人としての活動は行っていません。

 

PwC Japanについて

プライスウォーターハウスクーパース ジャパン(PwC Japan)は、あらた監査法人、プライスウォーターハウスクーパース株式会社、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース、およびそれらの関連会社の総称です。各法人はPwCグローバルネットワークの日本におけるメンバーファームであり、それぞれ独立した法人として業務を行っています。
複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanでは、監査およびアシュアランス、アドバイザリー、そして税務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、その他専門職員約4,000人を擁するプロフェッショナルサービスファームとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。

 
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