PwC「第13回 世界CEO意識調査」を世界経済フォーラム(ダボス会議)で結果発表

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~不況の中、CEOの自信は回復基調 -新興国は急速に回復、先進国は慎重な姿勢~2010年、CEOの約40%が雇用増を計画~

2010年01月27日

(本プレスリリースは、ダボス(スイス)で開催された世界経済フォーラムにおいて発表された「第13回 世界CEO意識調査」に関するプレスリリースの翻訳です。)

2010年1月27日 スイス・ダボス― プライスウォーターハウスクーパース(PwC)による「第13回 世界CEO意識調査」の結果、景気後退の長期化という最悪の不安を抱えながらも、CEOは将来への成長に悲観的だった昨年から一転、自信を回復しつつあることが明らかになりました。

こうした自信の回復は雇用増計画という形で表れており、CEOの約40%が今年度の人員増を目指しています。25%のCEOが来年にかけて人員削減を計画していますが、過去12カ月で約半数のCEOが人員を削減したのに比べると、その比率も低下しました。

アジアパシフィックとカナダでは、約半数のCEOが2010年に雇用を拡大することを目指しており、ブラジルではこの数値が60%以上にまで跳ね上がります。イギリスでは、CEOの約5分の1が2010年に8%以上の増員を見込んでいると述べています。

全体として、世界のCEOの81%が今後12カ月間の見通しに自信を持っており、依然として悲観的であると答えたCEOはわずか18%にすぎないことが本調査で明らかになりました。昨年の調査では、自信があると答えたCEOは64%、悲観的と答えたCEOは35%でした。また、CEOの31%が短期的見通しについて「非常に自信がある」と回答しました。この数字は、PwCが調査を開始して以来、CEOの自信が過去最低であった昨年から10%ポイントの上昇になります。本調査結果は、ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会で発表されました。

調査では、新興国と先進国では、CEOの自信のレベル、ひいては世界的な景気後退が及ぼす影響の度合いに著しい違いがあることが明らかになりました。例えば北米と西ヨーロッパでは、CEOの約80%が来年の成長に自信があると述べました。これに対し、中南米と中国/香港では同数値が91%、インドでは97%となっています。

長期的視点で見た場合、結果にそれほど大きな差異は見られませんでした。全体として、CEOの90%以上が今後3年間の成長に自信を示しています。 2010年代という新しい10年間の始まりにもたらされた今回の調査結果は、PwCが2000年に実施した調査におけるCEOの自信レベルとほぼ同程度の数値となりました。しかし、10年前は経済格差が大きく、当時、北米のCEOの42%が極めて楽観的と答えていました。これは、アジアのCEOの2倍に相当する数値でした。

今後については、国内経済の回復は2010年下半期以降と答えたCEOが合計60%だったのに対し、13%が既に回復途上にあると回答、21%が今年の上半期に回復し始めるだろうと述べています。成長軌道への回復は中国が最も進んでおり、中国のCEOの67%が2009年に回復が始まったと回答しています。しかし、アメリカのCEOの約3分の2、西ヨーロッパのCEOの70%以上が、2010年半ばまで回復基調には転じないだろうと回答しています。

「世界的な経済破綻への不安が後退し、CEOは今後の見通しに対し自信を強めています」とPwCグローバル会長であるデニス・M・ナリー(Dennis M. Nally)は述べています。「しかしながら、回復速度が遅く、不況を乗り切るために時には思い切ったコスト削減等の手段が講じられることの影響により、 CEOの自信は揺らいでいます。新興国の経済は明らかに先進国よりも早い速度で回復しています。将来の回復に目を配りながら不況を乗り切ってきた企業は、早期回復の可能性が極めて高いといえるでしょう。」

「回復のタイミングは地域や産業ごとに異なるでしょう」とナリーは述べています。「急成長を遂げている一部の経済では順調に回復が進んでいます。しかし経済危機によって最も大きな打撃を受けた国々のCEOは、その影響が2010年以降も続くと考えています。CEOには、競争上の優位性を得るために、成長への投資について戦略的な意思決定を下す方向へとマインドセットをシフトすることが現在求められています。」

 

その他の主な調査結果

今後の懸念事項

長引く世界的な景気後退は引き続き世界中のCEOの最大の懸念事項となっており(65%)、次いで過剰な規制の恐れ(60%)となっています。事業の成長に対するこれら脅威の中で、「非常に懸念している」の回答が最も高かったのが過剰な規制(27%)でした。その他、事業に対する潜在的脅威として上位に挙がったのが、資本市場の不安定性や為替レートの変動などでした。一方で、テロリズムとインフラストラクチャーに対する懸念を成長に対する脅威として挙げたCEOは全体の3分の1弱となっています。

規制当局への好悪

CEOは過剰な規制の脅威について十分に把握していました。CEOの3分の2以上が、政府が全体的に規制による負荷を軽減してきた、という意見に賛成しませんでした。また、たとえ最悪の状況であっても政府による民間部門の所有に反対していますが、CEOの半数近くは、経済危機時には国営化が産業の安定化に資する、という意見に賛成しています。経済危機時に政府から多大な支援を受けた2つの部門―自動車メーカーおよび銀行―のCEOは、難局時における国営化を最も高く評価しました。

同時に、更なる経済危機などのシステミック・リスクに対処しようとする政府の取り組みに対し、CEOは好意的に見ています。CEOの65%が、規制当局による協力がシステミック・リスクの軽減に役立つ、という意見に賛成しました。

景気後退の影響との戦い

景気後退に立ち向かうために、全CEOの約90%が過去12カ月の間にコスト削減策に着手したと述べ、アメリカや西ヨーロッパ、イギリスのCEOがそれをリードしました。また、全体の約80%が、今後3年間にわたってコスト削減を図っていくと述べています。

社会的信頼と消費者行動

不況により自分たちの業界の評判が悪化したと考えているCEOは4人に1人程度にとどまりましたが、銀行および資本市場部門ではCEOの61%が、自分たちの業界の信頼が失墜したと述べました。

CEOの半数近くが、景気後退が消費者行動に恒久的な変化をもたらしたことを懸念しています。その多くが、消費者は今後、企業の社会的評判を重視するようになる(64%)、支出を減らし貯蓄を増やすようになる(63%)、製品開発に積極的に関わるようになる(60%)と述べています。

リスク管理

景気後退の結果、CEOの間でリスク管理がますます重要となってきました。CEOの41%が、自社のリスク管理の手法を大きく変更する予定であり、43%が、リスク管理プロセスにいくつか変更を施す計画があると述べています。

役員会では、戦略的リスクの評価や財務の健全性の監視、企業戦略のチェックなどの経営課題により注力するようになってきました。

気候変動

CEOの60%以上が気候変動イニシアティブの影響にすでに備えており、こうした取り組みが自社の評判を高めるだろうと考えていると述べました。景気後退は緑化機運(green momentum)にほとんど影響を及ぼしませんでした。気候変動対策を講じた企業の61%は、景気後退がそうした戦略に何ら影響を及ぼさなかったと考えており、そのうち17%が、同対策への投資額を昨年より増額しています。

「CEOは今後数カ月以内に、生き残り競争は終わった(post-survival)というモードに入るでしょう。景気後退の対処方法に関してCEOが抱いた後悔のうち、最もよく聞かれたのが、リスクを十分に理解できていなかった、より迅速に対応できなかった、というものでした」とナリーは述べています。「リスク管理の重要性は、金融危機から立ち直るために最も多く挙げられた教訓でした。繁栄への回帰を目指す過程で、CEOは、リスク管理と、決断力や柔軟性とのバランスを図るすべを学びつつあります。」


 

調査方法

PwC「第13回 世界CEO意識調査」は、2009年度第4四半期に52カ国、1,198名のCEOを対象に実施しました。
主な調査は電話インタビューによって行われました。プロジェクトマネージャーやPwCパートナーのグローバルアドバイザリーボードとの協力により、調査は北アイルランド・ベルファストにあるPwC国際調査部によって実施されました。地域ごとの内訳としては、ヨーロッパ(オーストリア、ベルギー、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、イギリス、ウクライナ)では535人を対象、アジアパシフィック(オーストラリア、中国/香港、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム)では289人を対象、中南米(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、メキシコ、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ)では167人を対象、北米(アメリカ、カナダ)では139人を対象、中東およびアフリカでは68人を対象として、それぞれ調査を実施しました。

 
 

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