贈収賄リスク診断‐贈収賄リスクを減らすためのガイダンス‐

近年、米国司法当局によるFCPA(米国海外腐敗行為防止法)違反の摘発が後を絶ちません。
また、2011年7月に英国でUK Bribery Act(英国贈収賄法)が施行されただけでなく、世界銀行などの国際機関も積極的に反汚職に対するメッセージを発信しています。摘発事例を見ても、もはや贈収賄違反による摘発はどの企業にとっても対岸の火事ではないことは明らかです。

違反が摘発された場合の課徴金や調査・改善計画の実施にかかる費用や時間の観点からも、贈収賄に関するコンプライアンスを日頃から徹底することは喫緊の経営課題の一つと言えます。また、最近ではCSR(企業の社会的責任)の観点からも、贈収賄防止に向けたコンプライアンス体制構築に自発的に取り組む企業が増えてきています。

贈収賄防止のためのコンプライアンス体制の構築の議論をする際に、方針や規定の整備、社員に対する研修といった具体的な整備・運用面の議論に終始してしまう場合があります。それら自体もコンプライアンス体制の構築を考える上で重要な要素であることは間違いありませんが、限られた時間・予算・人員を最大限に活用するためにも、まず贈収賄リスクがどこにあるかということを網羅的に特定・評価した上で体制構築を進めた方が効率的であることは言うまでもありません。
また、米国司法省と米国証券取引員会のFCPAリソースガイドにおいても、リスク評価は「確固たるコンプライアンスプログラム体制構築のための基本」であると説明されています。

本書は、企業が業務を通じてさらされる危険のある贈収賄リスクを特定し、評価することを支援するために作られています。また、リスク評価を組織全体の贈収賄対策プログラムに盛り込む方法についても触れています。

(2016年3月)