前回の自動車産業に続き、今回は小売・消費財産業独自のトピックについて、IFRS適用にあたっての傾向と対策を解説します。なお、文中意見にわたる部分については、筆者の私見であることをお断りします。
小売・消費財産業はわが国の主力産業のひとつであり、製品も多岐にわたっているため製品種類ごとにビジネス上の関係も非常に複雑なものとなっています。小売・消費財産業は卸売業者経由でも販売するため一般製造業に比べ取引関係が複雑であり、業種により特殊な形態のビジネス慣行も依然として残っています。IFRS導入に際しては小売・消費財産業のビジネスの実態を把握した上で、実態を表す会計処理方針を選択していく必要があります。その中で、今回は、(1)収益認識の領域から収益認識のタイミングと返品に関する取り扱いおよびその会計処理、(2)販売促進費に関する会計処理、(3)契約上含まれている製品保証の取り扱いおよび製品保証に関して保険会社との別途契約をしている場合の取り扱いおよびその会計処理について、Q&A方式で解説します。
あらた監査法人 小売・消費財産業担当 公認会計士 出口眞也、大橋佳之