前回の商社に続き、今回はソフトウェア・エンターテインメント産業独自のトピックについて、IFRS適用にあたっての留意点を解説します。なお、文中意見にわたる部分については、筆者の私見であることをお断りします。
ソフトウェア産業はわが国におけるIT化の進展および低価格によるブロードバンドの普及により、通常のパッケージソフトウェアだけにとどまらず、顧客のニーズにあったソフトウェアの開発など多様化が進んだ業界です。販売方法も多種多様で、ソフトウェアとその後のバージョンアップやメンテナンスを抱き合わせた形態やハードウェアも含めた形での複合取引など複雑なものとなっています。
エンターテインメント業界は、一般的に景気低迷時にも強いといわれる業界ですが、映画、音楽、アニメ、ゲーム、キャラクターコンテンツ、インターネットポータルやソーシャルサイトなど非常に広範囲に及ぶ産業です。また、エンターテインメントビジネスは、権利ビジネスの一面を持っており、特に国内では、著作権法や再販売価格維持制度といった法令に基づく各種規制や業界独特の商慣習が形成され、他業種と異なる特殊な業態であるといえます。
今回は、(1)それぞれの業界における独特な取引についての収益認識時期、(2)無形資産における特有の項目、(3)制作委員会出資や業界に多く見られるストックオプション(株式報酬)についての会計処理について、Q&A方式で解説します。
あらた監査法人 公認会計士 千代田義央、櫻井敬