(設例)
当社は、自動車部品の製造を外注しており、外注業者と部品の購入契約を締結しています。当該契約の概要は以下の通りです。
この契約に、リースは含まれているのでしょうか?
(解説)
国際財務報告解釈指針(以下IFRIC)4号では、法的にリースの形式をとらない取引であっても、リース契約が含まれているかどうかについて、契約の実質をもとに決定することを要求しています。決定にあたっては、以下の点について評価しなければなりません(IFRIC4号6項)。
上記(1)と(2)が満たされる場合には、法的にリースの形式をとっていない取引であってもIAS17号に規定されるリース取引として会計処理されることになります。また、(2)の使用権の移転の要件に関して、購入者(借手)に資産を使用する権利が与えられる場合とは、次のいずれかに該当する場合とされています(IFRIC4号9項)。
さて、今回のケースでは、契約の履行のためには、特定の資産、すなわち金型の使用が必要であり、かつ、この金型はカスタマイズされていることから、この金型に代替する資産はありません。よって、上記①の要件が満たされています。
また、契約期間(=金型の耐用年数)にわたって生産される部品は、自動車メーカーである当社に独占的に販売されるため、当社以外の第三者が金型により製造される生産量のうち重要な部分を取得することはないと考えられます(したがって上記(a)に該当します)。また、アウトプットの価格は、契約上、テイク・オア・ペイの条項があるため、単位あたりで固定されておらず、直近の市場価値とも異なっています(したがって上記(c)に該当します)。さらに、当社はいつでも行使可能な金型の買取りオプションをもっており、上記(b)をも満たすと考えられます。
その結果、上記(2)の使用権の移転の要件も満たすと考えられます。
よって、当該部品購買契約には金型のリースを含むと考えられます。
(設例)
上記の外注業者との部品購買契約について、取引の詳細は以下のとおりです。この場合、どのようにリースを判定して会計処理すべきでしょうか。
なお、当社の追加借入利子率は5%です。
(解説)
IFRIC4号では、契約にリースが包含されている場合、リース部分に関する支払いとその他の対価について、契約の開始時点で公正価値をもとに区分することになります(IFRIC4号13項)。
今回のケースでは、外注業者は金型の使用にかかる対価を部品販売価格に上乗せしています。よって、金型のリースの対価は当該上乗せ部分と考えられ、最低支払リース料は、金型の使用にかかるコストの上乗せ分(@10)と、最低発注量(300個)を乗じた3,000になります。
また、リースの分類は、IAS17号に基づいて行われます。今回のケースでは、金型の経済的耐用年数は、契約期間に一致しており、金型は実質的に借手である当社しか使用できない特殊な性質を持っていることから、IAS17号におけるファイナンスリースに分類されると考えられます(10項)。
以上より、当社はファイナンスリースの借手で、かつ部品の購入者ということになります。この場合の会計処理は以下のとおりです。
まず、契約期間の開始時に金型をその公正価値あるいは最低リース料の現在価値の低いほうで測定することになりますが、このケースでは、最低リース料の現在価値を資産計上額とします(なお、最低リース料が信頼性を持って分離できない場合は、公正価値で資産計上します)。最低リース料の現在価値は、追加借入利子率5%を使って、2,723と算定されますので、仕訳は
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となります。
金型は、経済的耐用年数か契約期間の短いほうで減価償却されますが、このケースでは、いずれも3年になりますので、3年で償却することになります。期末の減価償却の仕訳は、以下のとおりになります(定額法を前提)。

リース部分に関する支払額は、支払利息とリース負債の返済とからなり、部品に関する支払いの部分は、仕入原価を構成します。
