国際会計基準審議会(IASB)は、国際財務報告基準(IFRS)第9号「金融商品」の改訂を公表し、当初の2013年1月1日以後開始の事業年度ではなく、2015年1月1日以後開始の事業年度まで強制適用日を延期しました。
この改訂は、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」の置き換えプロジェクトの残りのフェーズ(例:減損およびヘッジ会計)の完了予定を2011年6月以降まで延期するというIASBの決定、および保険会計プロジェクトの延期を受けたものです。
また、この改訂は、企業がIAS第39号の置き換えプロジェクトの全フェーズの規定を同時に適用できるようにすることの重要性から行われたといえます。
さらに、この改訂は、過年度の修正再表示に関する軽減措置の修正も行っています。この軽減措置の一環として、IASBは、IAS第39号からIFRS第9号への移行に関する追加開示を求める、IFRS第7号「金融商品:開示」に対する改訂を公表しました。
下記の報告期間にIFRS第9号を適用する企業については、以下のとおりです。
(a) 2012年1月1日より前に開始する報告期間に適用を開始する企業は、過年度の修正再表示を行う必要はなく、移行日時点における追加開示を行う必要もありません。
(b) 2012年1月1日以降から2013年1月1日より前に開始する報告期間に適用を開始する企業は、過年度の修正再表示を行うか、または移行日時点の追加開示を行うかのいずれかを選択しなければなりません。
(c) 2013年1月1日以降に開始する報告期間から適用を開始する企業は、過年度の修正再表示を行う必要はないが、初度適用日現在の追加開示を行わなければなりません。
IFRS第9号の早期適用も引き続き容認されます。
ほとんどすべての企業が金融商品を保有しているため、将来のある時点でIFRS第9号を適用しなければなりません。
経営者は、比較情報の提示に関する新たな軽減措置を考慮しながら、IFRS第9号の適用時期を検討しなければなりません。さらに、追加開示の準備も始めなければならないでしょう。