プライスウォーターハウスクーパースHRS 用語辞典

人事制度 評価

360度評価制度 360 Degree Evaluation

360°評価とは、上司、部下、同僚、仕事で関係のある他部門の担当者、取引先や顧客からなど、あらゆる角度(多方面)から人材を評価しようとする制度。多面評価と同義。多くの角度からの、そして複数者からの評価を受け入れることにより公平性・客観性のある評価を実現しようとするものである。しかし、断片的な情報に基づいた評価であったり、評価者の評価力の水準確保が難しく、評価の公平性・客観性を確保しにくいとも言われる。このため結果を処遇に反映させるには問題がある場合も多く、人材育成を目的とする利用に適した制度である。導入している多くの企業では、結果を本人にフィードバックすることを通じて、日常の業務や対人関係における「気づき」の機会を与えることを目的にしている。
(執筆/コンサルタント 山﨑綾子)

多面評価制度 Multi-rater Evaluation

360度評価と同義。360度評価を参照。
(執筆/コンサルタント 山﨑綾子)

目標管理制度 Management by Objectives

目標による管理とは、1954年にP. F. ドラッカーが自身の著書『現代の経営』の中で提唱した組織マネジメントの概念である(日本語ではしばしば”目標管理”、”目標管理制度”とも呼ばれている)
本概念を反映した制度では、部下の目標設定への参加と目標に対するコミットメントによって、その達成プロセスの部下自身による主体的な管理を確立しようとする。(マネジャーによる厳格な指揮・指導により部下を管理するのではない)
具体的には、組織と個人のベクトルを合わせるべく、全社目標を、組織の階層別にブレイクダウンし、最終的に個人の目標と全社目標をリンクさせる。
その際、上位組織で設定された目標(テーマ)を下位組織(個人)に押しつけるのではなく、下位の責任者(個人)が上位の目標(テーマ)を自部署(自身)ではどのように意味解釈し、自部署(自身)の目標とするかを、上位の責任者と共に考え目標を設定していく。
あくまで全社、部門、課など組織の目標ありきで考えるマネジメントであるが、上司が一方的に目標を与えるのではなく、双方が話し合い納得した上で、部下本人の意見を目標設定に反映するものである。
その結果部下の”やらされ感”が払拭されるとともに、部下に組織の成功に自身が貢献することになるという参画意識を持たせ、その達成への意欲的な取り組みが期待できる。
一方でマネジャーには部下から目標へのコミットメントを引き出すために、部下を動機づけ育成するという姿勢の醸成が期待できる。
(関連用語)
・コミットメント
(執筆/コンサルタント 齊藤裕一)

成果主義 Performance-based

成果主義とは、従業員が与えられた職務に対し、一定の期間で、どのような成果をあげたかという点を重視する考え方を指す。人事制度上の「成果」とは、売上など目に見える数字となって表れる「定量的な結果」や、自社としての強みが確立されたか、業務効率がどれだけ改善されたか、などの「重点戦略の達成度」を意味する。
人が成果を出すまでのステップには3段階あり、(1)組織上のポジションや権限、経営資源など従業員に与えられた環境・状況を指す「インプット」、(2)与えられたインプットを有効に活用し、職務を遂行することを表す「スループット」、そして(3)インプットとスループットを通して得られた成果である「アウトプット」である。
この「アウトプット=成果」だけに重きを置いていては、人材育成および組織の成長の観点から、会社組織の長期的発展維持は不可能である。インプットである環境条件を最適なものにすると同時に、スループットの改善・向上を常に行うことで、初めて「成果主義」の意義が存在する。
(執筆/コンサルタント 当山信嗣)

能力評価 Ability Evaluation

職務を遂行する上で必要とされる「能力」とは、売上など目に見える数字となって表れる「定量的な結果」や、自社としての強みが確立されたか、業務効率がどれだけ改善されたか、などの「重点戦略の達成」を実現するために求められる能力を指す。主に、技術力、理解力、企画力、指導力、管理力、判断力、表現力、折衝力などがある。
一方、「評価」とは、各人に課せられた使命に相応しい計画を策定し、それを実践の場で検証し、事業開発・推進など、新たな施策を立てて成果を生み出したか、をチェックすることである。
「能力評価」とは、すなわち自社の将来像を見据え、今を存続するための収益力確保や、将来の成長のための強みの確立や業務効率の改善などを展開してゆくために、各人に求められる能力の向上を管理し、組織力の底上げを図る「マネジメントの仕組み」と言える。
(執筆/コンサルタント 当山信嗣)

業績評価 Performance Appraisal

評価には、売上げなど会社に対する貢献度を評価する「業績評価」と、長期的な人材育成を目的とした「能力評価」などがある。
「業績」とは、売上など目に見える数字となって表れる「定量的な結果」や、自社としての強みが確立されたか、業務効率がどれだけ改善されたか、などの「重点戦略の達成度」などを指す。
一方、「評価」とは、各人に課せられた使命に相応しい計画を策定し、それを実践の場で検証し、事業開発・推進など、新たな施策を立てて成果を生み出したか、をチェックすることである。
「業績評価」とは、すなわち自社の将来像を見据え、今を存続するための収益力確保や、将来の成長のために強みの確立や業務効率の改善などを展開してゆくための「マネジメントの仕組み」と言える。
(執筆/コンサルタント 当山信嗣)

プロセス評価 Process Evaluation

個々人の評価(人事評価)の一つで、業績(成果)評価と分けて行われる評価。業績(成果)がでる過程(プロセス)において、どのような価値が顕在したかという視点でなされる。能力評価、コンピテンシー評価、情意評価も、プロセス評価のひとつ。行き過ぎた成果主義(結果主義)を是正するために、近年は特に重要視されている評価。また、プロセス評価を行うことが人材育成にもつながる。
(執筆/コンサルタント 当山信嗣)

評価面談 Assessment Feedback Meeting

評価フィードバック面談とも言う。マネジャーが、メンバーの育成と動機付けを目的に、1対1で、到達すべきゴール(能力や成果)と現状との差を確認し、その原因をみつけ、お互いの行動改善を考えるために行う話し合いを言う。話し合いに集中できる場所で、1時間前後の時間をとり、上司からの一方的な意見の押し付けにならないような注意が必要。
(執筆/コンサルタント 当山信嗣)

加点評価 Point-addition Scoring System

「加点評価」とは、被評価者の悪いところを問題視するより、よい点に注目して伸ばしていくという育成志向の評価方法である。創造性や挑戦性が必要とされる職務については、加点評価は有効である。
また、各人に課せられた使命に直接関係のない分野や、社外での貢献活動などを加点の対象として評価することで、挑戦的な風土が醸成されるメリットがある。
一方で、加点主義の意義や基準を明確にしておかないと、被評価者の問題点を無視してしまう恐れもある。また、職種や階層ごとに基準が異なるので、地道な努力や作業が軽視されたり、無謀な挑戦が加点の対象にならないように留意する必要がある。
(執筆/コンサルタント 当山信嗣)

ハロー効果 Halo Effect

考課者が無意識のうちに陥りやすい不適切な評価の1つである。
被評価者の特に優れた点、劣った点または全体の印象に引きずられて、当人のその他個々の特性も同様に優れ、あるいは劣っているとみなしてしまう傾向をいう。
ハローとは、直訳すると”後光が差す”と言う時の後光をのことを差す。
ハロー効果の例は次の通りである。
・いつもアグレッシブに行動しているように見えるAさんを、その行っている内容・アウトプットを確認せずに、仕事ができているとみなす。
・あまり目立たないBさんを、その行っている内容・アウトプットを確認せずに、あまり仕事ができていないとみなす。
対策として、評価基準を明確にすること、その上で被考課者の具体的行動事実をとりあげて考課すること、あるいは被考課者1人ひとりについて、考課項目全体を続けて考課するのではなく、考課項目1つひとつについて被考課者を変えて考課すること等が考えられる。
(執筆/コンサルタント 齊藤裕一)