会計方針等変更事例‐テクノロジー業界

2017年3月21日

今回は、会計方針の変更、表示方法の変更、および会計上の見積りの変更について、国内のテクノロジー企業の事例を取り上げます。
2014年4月から2017年2月までに決算期をむかえる事業年度を対象とした、国内の代表的なテクノロジー企業の会計方針の変更などの状況は下記のとおりです。

【表1】会計方針の変更、表示方法の変更、および見積りの変更の有無

企業名

会計方針の変更

表示方法の変更

会計上の見積りの変更

日立製作所(※)

 

 

パナソニック(※)

 

 

ソニー(※)

 

 

東芝(※)

富士通(※)

 

三菱電機(※)

 

 

キヤノン(※)

 

NEC

 

シャープ

ニコン

 

カシオ計算機

 

GSユアサ

 

船井電機

 

ツインバード工業

 

(※)連結財務諸表を米国会計基準または国際財務報告基準に基づいて作成している企業については、個別財務諸表のみを対象とします。

【表2】会計方針の変更の内容

企業名

会計方針の変更内容

キヤノン

退職給付に関する会計基準等の適用

パナソニック

棚卸資産の評価方法の変更

シャープ

退職給付に関する会計基準等の適用

企業結合に関する会計基準等の適用

ソニー

変更なし

東芝

退職給付に関する会計基準等の適用

日立製作所

変更なし

三菱電機

退職給付に関する会計基準

NEC

退職給付に関する会計基準等の適用

企業結合に関する会計基準の適用

富士通

退職給付に関する会計基準の適用

GSユアサ

企業結合に関する会計基準等の適用

退職職給付に関する会計基準等の適用

カシオ計算機

企業結合に関する会計基準等の適用

退職給付に関する会計基準等の適用

ニコン

退職給付に関する会計基準等の適用

有形固定資産の減価償却方法および耐用年数の変更

企業結合に関する会計基準等の適用

ツインバード工業

退職給付に関する会計基準等の適用

船井電機

企業結合に関する会計基準等の適用

退職給付に関する会計基準等の適用

上記表の企業が会計方針の変更を行った理由は、以下に区分されます。

  • 退職給付会計に関する会計基準等の適用 11社
  • 企業結合に関する会計基準等の適用 6社
  • 有形固定資産の減価償却方法および耐用年数の変更 1社

2012年5月に「退職給付に関する会計基準」および2015年3月に「退職給付に関する会計基準の適用指針」が改正されたことをうけ、多くの企業が2014年度において、「退職給付に関する会計基準」、「退職給付に関する会計基準の適用指針」を適用し、会計方針の変更として注記をしています。また、2013年9月に「企業結合に関する会計基準」および関連する他の会計基準等が改正されたことをうけ、多くの企業が2015年度において、「企業結合に関する会計基準」、「連結財務諸表に関する会計基準」および「事業分離等に関する会計基準」などを適用し、会計方針の変更として注記をしています。

【表3】表示方法の変更

企業名

表示方法の変更内容

キヤノン

金額的重要性

パナソニック

変更なし

シャープ

金額的重要性

ソニー

金額的重要性

東芝

金額的重要性

日立製作所

金額的重要性

三菱電機

変更なし

NEC

会計基準の適用

金額的重要性

富士通

金額的重要性

GSユアサ

金額的重要性

カシオ計算機

金額的重要性

ニコン

会計基準の適用

金額的重要性

ツインバード工業

金額的重要性

船井電機

金額的重要性

上記表の企業が表示方法の変更を行った理由は、以下に区分されます。

  • 金額的重要性による変更 12社
  • 会計基準の適用 2社

上記のとおり、表示方法の変更の理由は、金額的重要性に伴う変更に伴うものが最も多い理由でした。

【表4】会計上の見積りの変更

企業名

会計上の見積りの変更内容

東芝

リサイクル費用見込額の算定に使用していた回収率の変更による引当金の見積りの変更

シャープ

棚卸資産の帳簿価額切り下げに係る一定の期間および一定の率の変更

上記のとおり、会計上の見積りの変更を行った企業は2社でした。パソコンメーカーは資源有効利用促進法により、パソコンの回収・リサイクルが義務付けられているため、関連する費用の見込額を引当金として計上しているケースがあります。東芝のパソコンリサイクル引当金に関連する見積りの変更は、テクノロジー業界特有の変更事由といえます。

PwCあらた有限責任監査法人
第1製造・流通・サービス部
佐藤 里保

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