贈収賄・反汚職マネジメント

公務員に対する贈収賄については、近年、各国の司法機関や証券取引委員会などによる取り締まりが厳格化される傾向にあります。米国海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act:FCPA※1)や英国反贈収賄法(Anti-Bribery Act:ABA※2)を中心とした贈収賄に対する厳格な規制は、今や世界的な潮流となり、日本企業においても過去における悪しき取引慣行を断ち切らないと、厳罰や企業価値の低下などを招き、企業の存続を揺るがす事態に発展する可能性もあります。特に、民間セクターと明確な区別がなされていない公的な組織が存在しているなど、法律や各種制度が整備途上の発展途上国や新興国などで事業を展開する企業には、予想が困難な重大なビジネスリスクが存在しているといえます。

反汚職プログラムの構築支援

賄賂の問題に関して、企業が置かれている環境は深刻です。ドイツに本部を置き、世界的に汚職・腐敗問題に取り組むNGOであるトランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)は、Corruption Perception Index(腐敗認知指数)を発表しています。これによると、182カ国中、Indexが5.0以下(Index 10.0がもっとも好ましい)は134カ国、Indexが3.0以下は82カ国であり、当該国では汚職が常態化していると報告されています。

前述のとおり、ここ数年のFCPAに基づく賄賂などの腐敗行為に対する取り締まりの強化は、企業によるコンプライアンスプログラムの構築・運用を求めているといえます。経営者による責任は、財務報告にかかわる内部統制と同様に重大なものとして認識されます。また、米国において量刑の判断基準として制定された連邦量刑ガイドラインでは、コンプライアンスプログラムの構築企業には量刑を軽減する規定があり、英国反贈収賄法では企業に汚職防止を目的とした「適切な手続き」を要求しています。今後、企業におけるコンプライアンスプログラムの策定、周知、モニタリングおよび見直しなどの一連のマネジメントサイクルの構築やそれを支える人員、権限などの経営資源の手当、組織の自浄作用の発揮やリスクが顕在化した場合の迅速な対応体制の整備が全ての国際企業に求められるでしょう。

当社のフォレンジックサービスでは、PwCがグローバルで蓄積したFCPAに関する事例分析、調査経験を基に、反汚職プログラムの導入を支援します。

※1:FCPA(海外腐敗行為防止法)とは
公正な商取引などを目的として、1977年に米国で制定された外国公務員などに対する贈賄などを禁止する法律です。同法の対象となる米国企業、米国でビジネスを行う日本企業(特に米国証券取引委員会(SEC)の登録企業や主要な事業所を置く日本企業など)にとっても対応が必要となります。 FCPAにおける主な領域は、以下の2つです。
  1. 賄賂の禁止
    ビジネスを得るため、または継続することを目的とした外国公務員に対する賄賂を禁止するもので、「賄賂禁止条項」として米国司法省が管轄しています。
  2. 適正な会計処理
    経営者による指示のもと、資産の取引や処分に関する帳簿や記録が適切に作成され、承認などの内部統制システムが構築・運用されていることを求めるもので、SECが管轄しています。
※2:ABA(反贈収賄法)とは
英国において2011年7月に導入された、贈収賄を禁止する法律です。同法の対象は、英国でビジネスを行う企業が、世界中のいかなる国で行った贈収賄行為も全て含まれます。また、企業として汚職を防ぐための「適切な手続き」を導入していなければ、同法に違反するとされています。
 
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