大手製造業B社 コンバージェンス対応支援事例

グループ会社の会計処理基準の統一を最小限の修正で実現

お客様の課題

B社は、売上高1兆円を超え、連結子会社100社を擁し、世界数十カ国で生産・販売を展開するグローバル企業です。

従来、グループの在外子会社の個別財務諸表は、各社が所在する国の会計基準に従って作成し、本社はそれらを収集して連結財務諸表を作成していましたが、会計基準のコンバージェンスの一環により、2008年度から在外子会社の個別財務諸表は親会社が採用する会計基準か国際財務報告基準、あるいは米国会計基準のいずれかに準拠して作成しなければならなくなりました(※1)。

B社には約70社の在外子会社があり、所在する国の会計基準から上記の共通基準に変更することの難しさや必要となる時間や労力は計り知れず、早急に対応方針を決定する必要に迫られました。

※1. 「実務対応報告第18号連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」

当社のアプローチ

まず準拠する共通基準の選定を行いました。在外子会社が採用している主要な会計処理の一覧を整理し、その結果を基に監査法人と協議を重ねた結果、在外子会社の経理担当者が理解しやすいこと、在外子会社の現地監査法人の協力が得られることなどの理由から、国際財務報告基準の採用を決定しました。

次に、国際財務報告基準への修正を求める可能性がある在外子会社や会計処理を、重要性などを勘案して選定しました。その後、選定された在外子会社の現地監査法人に対してアンケートを実施し、会計処理を修正した場合の影響額を報告してもらいました。それから、連結上金額的重要性に乏しい在外子会社・会計処理を修正対象から外し、修正方針として最終化しました。

最後に、決定した修正方針をグループ会社に対して発信するとともに、方針の周知徹底までを支援しました。

効果

当プロジェクトでは、B社にとって有利になるような基準解釈の余地と、在外子会社が適用している会計基準の調査範囲について、十分に検討した上で監査法人と協議を行いました。その結果、本来であれば在外子会社約70社の全ての会計処理を国際財務報告基準などに修正しなければならなかったところ、最終的に修正を要する在外子会社・会計処理を、重要な数社・数項目に抑えることができ、グループ全体の修正に要する工数を大幅に削減することができました。

これは強引な交渉により勝ち得た成果ではなく、適切な基準解釈と事実収集に基づく合理的な結論により得られた成果で、B社にとって満足の行く結果となりました。 当プロジェクトの成功により、その後も他の会計基準対応についてサービス提供を続ける機会をいただき、合理的なB社ルールの設定、効率的な業務プロセスの設計などを支援しております。