プライスウォーターハウスクーパース、国際協力機構(JICA)の委託により、アフリカ地域社会経済開発のための同地域のビジネス基礎情報収集・確認調査を、南アとケニアで実施

-アフリカ地域に対する各国からの直接投資額は2001年から10年間で約3.6倍に急伸する一方、日本企業の直接投資額はマイナス


プライスウォーターハウスクーパース株式会社

プライスウォーターハウスクーパース株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:椎名 茂)は、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)の業務委託を受け、サハラ砂漠以南のサブサハラ・アフリカ地域への日本企業による進出を促進する観点から、主に南アフリカ共和国(以下、南ア)とケニア共和国(以下、ケニア)を調査対象に、「アフリカ地域社会経済開発のためのアフリカ地域ビジネス基礎情報収集・確認調査」を実施しました(調査時期:2012年1月から8月)。

本調査では、これまで情報が限定的であった同地域の基礎情報を、日本国内での網羅的な文献調査により整理するとともに、PwCの現地法人のネットワークを駆使して政府・民間関係者へのヒアリングを実施し、実際のマーケット概況やビジネス進出の難易度を分析しました。その上で、特に日本企業のビジネス進出が見込まれる南アとケニアを対象に、現地で期待される進出分野とビジネスモデルを洗いだすとともに、民間進出における課題について、日本政府から現地政府への政府支援であるODAを活用した解決策の可能性も検討しました。調査結果のハイライトは以下のとおりです。

  • サブサハラ・アフリカ地域への各国からの直接投資額(ストックベース)は、2001年から2011年までで約3.6倍に増加している。一方、日本からの直接投資額は引き揚げ超過でマイナス、進出企業数も南アで100社強と低調。
  • 南アでは「ブラックダイヤモンド」と呼ばれる黒人新中間層が台頭し、生活の質の向上に対応した高付加価値製品・サービスへのニーズが高まっている。一方、貧困課題を抱えるケニアでは、栄養・衛生改善、農業技術の向上など、国の開発目標に寄与する事業が必要とされている。
  • 日本企業のさらなる進出に向け、電力や水、通信網などのハードインフラの整備、現地企業に関する情報基盤整備、債権保証機関の設置など、産業界単独では対応できない課題に対するODAを通じた公的支援策の導入が日本政府に求められている。

主な調査結果

南ア・ケニアの各マーケットの動向

  • サブサハラ・アフリカ地域への各国からの直接投資額(ストックベース)の合計は、2001年の998億米ドルから2011年には3,590億米ドルへと約3.6倍に増加している。一方、日本からの同地域への直接投資額は逆に引き揚げ超過でマイナスの状況で、日本企業の進出が最も多いと見られる南アですら100社強と低調である。
  • 南アでは「ブラックダイヤモンド」と呼ばれる黒人新中間層が拡大しており、生活の質の向上を求める消費ニーズが高まっている。女性の社会進出も加速化しており、黒人女性の消費力は特筆に値する。
  • ケニアでは南アと比較して貧困課題の重要性が依然として高く、栄養・衛生改善、農業技術の向上など、国の開発目標に寄与する事業が必要とされている。
  • さらなる経済成長を達成するための課題や状況は両国でやや異なる。南アフリカがより高付加価値の製品・サービスを求め始めているのに対し、ケニアではまだハード・ソフト両方のインフラ整備が不足しており、途上国で必要とされている一般的な開発パッケージの必要性が相対的に高い。

報告書内で取り上げた主な対象分野

(1)再生可能エネルギー分野

南アは電力需要の急増と石炭火力依存からの脱却という政策課題を、また、ケニアは基礎的電力インフラの整備、水力発電依存からの脱却という政策課題を抱える。大型発電プロジェクトのサプライヤーとしての参入が期待されている。

(2)農業・アグリビジネス分野

食生活の多様化が進む南ア、食糧の安定的供給を志向するケニアの両国に共通して、灌漑技術をはじめとする農業技術および食品加工技術の向上が課題になっている。

(3)非耐久消費財分野

成長性の高い分野の一つに女性の美容品が挙げられ、特にヘアケア製品に出費を惜しまない女性の消費性向が潜在成長性を示している。B to B (美容院、エステサロンなどへの販売)と一般消費者向け(訪問販売含む)のB to Cの両方に潜在的投資機会があるといえる。

(4)医薬品・セルフケア製品

南アでは富裕層や中間層の台頭と食生活の変化によって健康に対するニーズが高まってきており、一方のケニアでは貧困層の医療アクセスに大きな課題を抱えていることから、当分野は両国政府においてそれぞれ優先課題となっている。

なお、上記いずれの分野への進出においても、現地政府機関有力者との人脈や当該事業の事業経験を有する戦略的な現地パートナーの確保と、進出形態の検討(現地法人の設立、現地企業の買収/提携など)は、現地ビジネスを有利に導くために必要な要件といえる。

日本経済が人口減少やデフレ、主要輸出産業の競争力低下など構造的な課題を抱える中にあって、日本企業の持続的成長にとって、大きな潜在力を秘めるアフリカ市場への進出は、今後の重要な戦略の一つと成り得ます。当社は、PwCのグローバルネットワーク、特にPwCの現地法人との強力な連携により、今後もアフリカなどの潜在性の高い新興市場のマーケット動向調査や現地への進出支援を継続してまいります。

以上

調査概要

調査の名称: 「アフリカ地域社会経済開発のためのアフリカ地域ビジネス基礎情報収集・確認調査」
調査主体: 独立行政法人国際協力機構(JICA)
※調査はプライスウォーターハウスクーパース株式会社が担当
調査目的: (1)アフリカ地域への進出を検討する中小企業を含む日本企業を対象として、アフリカ地域全般に関する基礎情報を提供する
(2)日本企業のビジネス進出が見込まれる南アフリカ共和国とケニア共和国を主な調査対象として選定し、進出可能分野とビジネスモデルの検討を行う
調査期間: 2012年1月~2012年8月
調査対象: 南アフリカ共和国、およびケニア共和国を中心とするサブサハラ・アフリカ地域
調査方法: 日本国内での文献調査、データ分析、および現地での実地調査や進出企業・政府機関へのインタビューなど

※本調査の報告書は、2月7日よりウェブサイト 「アフリカひろば」で公表しています。

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